内容説明
喧騒のロンドンを遠く離れて、スコットランド付近まで。領主館の宿に泊まり、野の小さな草花を愛で、極めて珍妙な風景に心和ませる。そしてなんと幽霊にも遭遇…。著者自身の撮影による美しい写真と文章で、愉悦と発見の旅を辿る。傑作『イギリスはおいしい』の続編ともいえるフォト&エッセイ集。
目次
第1章 花野にて
第2章 楽園イングルビー
第3章 コースタル・ルートを行く
第4章 怪しい塔
第5章 リッチモンドの町
第6章 風の寺
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生まれ。慶応義塾大学卒業。同大学院博士課程修了。近世国文学・日本書誌学専攻。『イギリスはおいしい』で日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』で国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』で講談社エッセイ賞を受賞。ケンブリッジ、オックスフォード両大学に研究のため滞在。東京芸術大学助教授等歴任。また、歌曲のための詩作、オペラのための台本等も次々に発表。イギリスものエッセイのほか、能楽論、料理本、自動車評論、小説、古典論、日本語論など多岐にわたる著書多数
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感想・レビュー
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kyokochin
5
初刊とは異なり食べ物の話はかなり控えめ。なのでイギリスグルメ目当てだと期待外れです。ただリンボウ先生のイギリス愛が溢れる本。この本を読むとイギリスの田舎に行きたくなります。草原の中にぽつねんと建つ城の廃墟を見て無常観を感じる部分は共感しまくりです。こんな旅行をしてみたい。 2014/09/08
柳絮
4
イギリスはおいしい、と言うかイギリスは美しいだった。日本人が「街の景観」と言う視点が欠落しているのには今現在の私でも同意する。一つ一つの住居は美しいが隣との調和と言うことで言うと全て落第点である、一方で、日本の節操なく近視眼的で絶えず移り変わり行く風景と言う点では私は好きで、種々多々良し悪しであるとも思う。なにはともあれ、イギリスのよさと言うのも実体験で味わいたいと思える一冊。2013/03/17
眉毛ごもら
3
再読。イギリスはおいしい2ではあるが直接の2巻というべきは愉快だの方である。こちらはフォトエッセイ風味でイギリスの田舎や古城、塔などを探訪する旅である。グルメ情報も出ているがどれも比較的美味しそうである。日本とは違う自然の景色。だだっ広い野原に花が咲き乱れ謎の塔や古城がポツンポツンと点在している。なんと長閑でゆったりした雰囲気か…。二十年前の本であるのでどのぐらい残っているのかはわからないがのんびり旅に出て見たいような風景である。畜産が盛んな地であるゆえに堆肥等の匂いがするがそれもご愛嬌である。英国いいな2022/08/07
barcarola
3
「おいしい」の2ということだが、食の話は多くはない(なぜ改題したのだろう?)。しかし「follyとは何ぞや?」とか辞書などではよくわからない部分を知ることができて結構満足であった。それにしてもイギリスの田舎って綺麗だな……。2016/03/06
とももも
3
効率が悪くても、多少割高になっても体力があるうちは右向け右ではない旅行をしたい。というか日常生活でもその心意気を忘れないようにしたいものです。2013/11/15