出版社内容情報
話は英国の奇妙な宿から便器、そして源氏物語をめぐる色恋論へ。独立、完結、されど連環── リンボウ先生のエッセイの名品全12篇
内容説明
話は英国の奇妙な館に始まる。日英の地図の描き方の違いに筆は及び、便器についての卓抜なる考察を経て、はては源氏物語をめぐる色恋論へ―。独立したハズの12篇のエッセイが、何故か不思議に連環しあう、フムム…。ユニークな視点、巧みな筆致の“リンボウ・ワールド”を代表する珠玉のエッセイ集。
目次
ホルムヘッドの謎
地図の書けないイギリス人
ラウンドアバウト
歩くことの研究
便器公論に決すべし
ロシアの憂鬱
大英図書館の厩火事
愛書家サトウの面影
目録よ、生きて語れ!
頭中将は何故泣いたか〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白玉あずき
52
文庫の廃棄本。懐かしいリンボウ先生かーと手に取って読み始めたら止まらない面白さ。貸出し歴皆無なれど除籍するのやめた~♪ 軽妙洒脱にして時代背景は古いけれども内容は新鮮!?アーネスト・サトウの業績に感動し、旧ソ連の国家体制におののき、源氏物語の読みの深さにびっくりし、書誌学者に必要とされるの資質ってかくも狭き門なのかと、あらためてリンボウ先生すごいと思った良い読書体験。英国のラウンドアバウトについての詳細なこだわりの解説・・・私には恐くて絶対運転無理ーと思った過去の黒歴史とか、色々蘇ってすっかり酔いました。2021/05/12
Euki
6
エッセイ集なのに短編集を読んでいるみたいな読後感です。 イギリス、ソ連、、平安時代から江戸時代へとタイムマシンに乗って、プチ旅行をさせてもらった気分。書誌学は過去を発掘し分析、分類して未来へと繋ぐ学問ですね。無報酬であることの満足感か。なんかわかる気がする。2021/03/24
洋書好きな読書モンガー
2
ミステリのような題名だけどホルムヘッドはイングランド北西部カンブリア州のカーライル北東郊外の村はずれのB&B(簡易ホテル)である。今回リンボウ先生は日本とヨーロッパ主に英国のいろいろな比較を書いている。丁度ワシントン・ポーシリーズを読んでいる所なのでその舞台周辺が話題になっており読んだ。Google map便利だな。30数年前にリンボウ先生が迷い迷い辿り着いたHolmhead Guest House見つかった。農家を改造したB&B、辿り着くのが大変そうな小川と農地に囲まれた様子、外観も見れちゃう。2024/04/16
Yoko
2
北イングランドの旅の出来事から始まったと思ったら、ラウンドアバウトやらトイレやらの話になってちょっとびっくり。ロシアでの体験は面白かったです。源氏物語等日本の古典の話にまでなって更にびっくり!2014/08/07
Kiyoko
2
せんせーと一緒に謎を解いて行く、実に面白い一冊。じっくり読みたい本。ノーイメージって、イギリスはおいしいよりは、新しいぞ?人気ないのかな・・・。2012/12/29