文春文庫
烈士と呼ばれる男―森田必勝の物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167567071
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

「ここまできて三島がなにもやらなかったら、おれが三島を殺る」―三島由紀夫と死を共にした青年・森田必勝は、いかにしてその胸底に死を育て、また三島はなぜ彼を受け入れたのか。異様な生彩を放つ短い生涯を史伝文芸の味わい豊かに描きつつ、遺族、友人などへの丹念な取材により、日本を震撼させた大事件の真相に迫る力作。

目次

第1章 名物学生
第2章 ノサップ
第3章 惜別の時
第4章 市ヶ谷台にて
第5章 野分の後

著者等紹介

中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
昭和24(1949)年栃木県生れ。東北大学文学部国文学専攻卒業。昭和48年から平成3年までの文芸春秋勤務の後、文筆生活に入る。昭和62年「明治新選組」で第10回エンタテインメント小説大賞受賞、平成5年「五左衛門坂の敵討」で第1回中山義秀文学賞、そして6年「二つの山河」で第111回直木賞を受ける
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感想・レビュー

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藤瀬こうたろー

17
三島事件の際、三島由紀夫と共に自決した青年の評伝。題名だけ見てしまうと国粋主義というか民族主義礼賛の本かと思ってしまいそうだけど、「自分の生命を如何に完全燃焼するか」という命題に取り組んだ一青年の人生の物語と思った方が良いです。思うに明治維新の際の青年志士たちも皆似たような心情だったのではないかと思います。思想信条はともかく、自分を捧げるべき価値のあるものを探す情熱は今の時代なかなか見れないです。これこそ、希代の大作家をして、「諫死」という形で共に死ぬ事を決意させる原動力となったんでしょうね。2020/03/08

ミノムシlove

14
長い間、若い命を散らした青年の事をずっと考え続けてきた。きかん気そうな精悍な面持ちにはまだあどけなさが残る。こんなまぶしい若者がたどった一生とはなんだったのか、と。読み終えての感想は、彼の生きる目的は死という一点に向け収斂されていたように思えた。彼自身には読書習慣がなかった様で、三島の著作は無論のこと、葉隠も読んだ事がなかった様である。私には『奔馬』の飯沼勲と森田必勝が重なって見える。三島が『奔馬』を著す頃、既に二人は磁石の様に結びつけられていた。勲を描きながら、脳内には必勝の面影はなかったか。➡続2024/03/05

駄目男

6
人質に取った東部方面総監益田兼利陸将と言う人は、旧帝国陸軍の軍人で陸大を主席で卒業、終戦時には同僚の自決に立ち会うほどの気骨ある人だった。その益田陸将が制止するのを無視して三島は腹を掻っ捌いた。関の孫六で介錯をしたのが森田必勝だったが、一太刀で首を落とせず、二太刀目を振るったがそれでも首は離れず、悶絶を打って苦しむ三島の首を刎ねたのは古賀浩靖で、直後、森田も割腹して、その首も古賀が一太刀で刎ねた。これらの経緯から、どうしても森田の自伝を読みたかったが、併し、25歳の森田が死ぬ必要性が分からない。

kiiseegen

2
森田必勝が触媒の様に作用し、「三島事件」が成り立った。強烈な運命の凄さを感じる。将に烈士だったんだ・・・。2012/07/05

ぼび

0
4/52017/11/03

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