文春文庫<br> 自動起床装置

文春文庫
自動起床装置

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  • サイズ 文庫判/ページ数 174p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167564018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

かれは涼しい面だちをした「起こし名人」だった──「眠り」という前人未到の領域を描き、現代文明の衰弱を鋭く衝く芥川賞受賞作

内容説明

聡とぼくは仮眠室の「起こし屋」。昼間の毒気を吐きながら、養分を貪るように眠るモーレツ社員たちを、うまく目覚めへと導くのが仕事だ。ところがある日、自動起床装置が導入された…。眠りという前人未到の領域から、現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。カンボジアの戦場への旅を描く「迷い旅」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

211
第105回(1991年)芥川賞。 東京の夜の風景を清冽に描く。起こし屋のバイトをして 働くぼくの視点が 新鮮で面白い …都会に生きる人々の眠りを 「起こす」という視点で 描く。 人生のおかしさと 哀しみが ぼんやりと 読者に伝わる。眠らない街 東京の別の 風景を描いた 不思議な本だった。2018/02/10

absinthe

183
寝てる人を起こす仕事、起こし屋の話。ひたすら寝てる人を起こすだけなのかと思い、最後まで読み切れるか不安だったが。面白いエンタメ小説だった。変わったイビキ、寝言、歯ぎしり、呼吸音に寝相に。描写がとにかく面白い。寝るというのは起きているのと同じぐらい大事なのだ。そこにはこんなにも深く広い世界があったのだ。やがて登場する自動起床装置。主人公達は対決する。AIのせいで労働者が要らなくなると心配される昨今だが。こんな昔からそういうテーマが書かれていたとは。2021/03/31

ヴェネツィア

88
1991年上半期芥川賞受賞作。まず、何よりも題材と着想が目新しく新鮮だ。眠っている人を希望の時間に起こすという「起こし屋」なるアルバイトが実在したものかどうか定かではないのだが、ともかくそうした仕事に従事する2人の青年を主人公として、彼らの視点で語られてゆく。ここでは「眠り」をその内側からではなく、あくまでも外側からの客観的な観察によって眺め語るのだが、度々語られる樹木と共に「眠り」それ自体が大いなるメタファーであるかのようだ。ただ、表題の「自動起床装置」は小説の上では必ずしも有効に機能していない。2013/08/30

おいしゃん

69
【芥川賞作品】仮眠する社員を起こす係だった主人公らが、自動起床装置の導入という、起床の機械化により、取って代わられるさまを描く。機械には真似できない起こし方をプライドをもつ彼らと機械のせめぎ合いが面白かった。2016/09/03

さっとる◎

33
君は今眠っている。その眠りはどうだい?できればよい眠りを眠り、よい起きるをしてほしいと思っている。大事なことだから。森の木々が暗くなると枝先を少し下げて二酸化炭素をゆっくり吐き出し、太陽が昇るといっせいに上をむいて新しい希望と酸素を作りだすみたいに。そんな風なのが難しくなったのはいつからだろう。人は眠るために薬を飲み、起きておくために眠眠を打破したりして、それは進歩?進化?私はよくわからなくなってしまう。せめて明日の朝は、眠りの芯にいる神さまを驚かせないよう遠くから呼びかけるから。だから安心しておやすみ。2021/07/10

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