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文春文庫
後藤田正晴と十二人の総理たち―もう鳴らない“ゴット・フォン”

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  • サイズ 文庫判/ページ数 462p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167560157
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0195

内容説明

平成十七年九月に亡くなった「昭和の軍師」「真の護民官」ともいうべき後藤田正晴氏。その部下として半世紀近く仕えた著者。「佐々君は、おるかな」の一声で駆り出され、“密命”を帯びて前線復帰の日々。そんな佐々氏と後藤田氏と歴代首相とが織り成す、知られざる「総理官邸」危機管理ドラマの数々。

目次

後藤田さん逝く
台湾騒擾と天安門事件―機動隊「二都物語」(竹下登内閣・宇野宗佑内閣)
湾岸戦争とソ連邦崩壊―冷戦終焉と世界新秩序(海部俊樹内閣)
PKO文民警察官殉職事件―「行かせた者」と「行かされた者」(宮澤喜一内閣)
対露ODA「ポチョムキン村」騒動―五五年体制の崩壊、自社倒れ「日本新党」誕生(細川護煕内閣・羽田孜内閣)
阪神・淡路大震災とオウム真理教地下鉄サリン事件―自社連立政権下日本の運命(村山富市内閣)
ペルー青木大使公邸占拠事件―国際テロの世紀へ(橋本龍太郎内閣)
テポドン、ハイジャック、不審船、沖縄サミット―惜しみてもあまりある未生の危機管理宰相の急死(小渕恵三内閣)
えひめ丸衝突沈没事故―ガルフ危機ならぬゴルフ危機(森喜朗内閣)
九・一一同時多発テロ、拉致、不審船、イラク人質事件―織田信長型危機管理宰相と後藤田正晴(小泉純一郎内閣)
等身大の後藤田正晴―晩年に見せた意外な素顔
最後の内務官僚

著者等紹介

佐々淳行[サッサアツユキ]
1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、国家地方警察本部(現警察庁)に入庁。目黒警察署勤務をふりだしに、警視庁外事・警備・人事課長、警察庁調査・外事・警備課長を歴任、「東大安田講堂事件」「連合赤軍浅間山荘事件」等では警備幕僚長として危機管理に携わる。その後、三重県警察本部長、防衛庁官房長、防衛施設庁長官等を経て、86年より初代内閣安全保障室長をつとめ、昭和天皇大喪の礼警備を最後に退官。以後は文筆、講演、テレビ出演と幅広く活躍。「危機管理」という言葉のワード・メイカーでもある。93年『東大落城』で第54回文藝春秋読者賞受賞。2000年第48回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲をみるひと

26
後藤田正晴氏が亡くなった際に纏められた佐々淳行氏の回想記。後藤田氏のエピソードの記載もあるが、基本的には中曽根康弘から小泉純一郎までの各総理に佐々氏がどう仕えたかが書かれている。自己愛に溢れた文調で自己の功績が延々と述べられているので、好き嫌いは出るかもしれないが、1980年代後半から2000年代前半までの世界、日本の情勢の中で筆者がどう泳いだかが書かれていて当時を知る世代には示唆がある内容だと思う。2022/08/29

やじ

20
竹下(天安門事件)海部(湾岸戦争、ソ連崩壊)宮澤(PKO文民警察官殉職)細川、羽田(‥)村山(阪神淡路、オウム)橋本(ペルー青木大使公邸占拠)小渕(テポドン、ハイジャック、不審船、沖縄サミット)森(えひめ丸)小泉(9.11、拉致、不審船、イラク人質)日本は佐々淳行氏と後藤田正晴氏によって守られていたのでした。なぜ無私で働かれたか。後藤田氏は一流だった国を四流にしてしまった責任、佐々氏は雨露を凌ぐ家、暖かい衣類、白米の飯、若い女性が一人歩きできる国、1日も早い独立の回復など、戦時少年の夢。日本の為。泣いた。2015/10/18

鐵太郎

12
副総理にまで上り詰めて瑕瑾もなく引退したのですから、悠々自適で自儘な好々爺になるのが普通ですが、この方は違った。国民の護民官として、国家の舵取り役として、水戸黄門・大久保彦左衛門として、最期の最期まで一心に国政を見守り、必要とあらばとっくに雇用関係も上下関係も切れた元部下たちを叱咤激励して修羅場に放り込み、自分は全く名を残さずそれを見届けたそうです。自他共に認める最もこき使われた部下である佐々淳行氏が、感謝と敬慕と尊敬と、そしてわずかな愚痴(笑)を込めて、在りし日の後藤田氏とその時代を書いたのがこの本。2008/06/27

isao_key

7
後藤田正晴とタイトルに記しているが内容は著者である佐々淳行氏の竹下登から、小泉純一郎まで歴代総理の間に起きた事件の回顧録。すでに公務から離れ浪人の立場である氏だが、危機管理、安全警備のスペシャリストとして国内はもとより、海外からも仕事のオファーが絶えない。また国際問題が紛糾しそうなときに"ゴッド・フォン"の命を受けて、各国の首脳、大臣クラスと国益をかけてタフな交渉を渡り合う。読んでいていやみに感じないのは、無私の愛国心が文章を通して伝わるところにあると思う。金儲けや天下りを潔しとしない姿勢が胸を打つ。2012/06/28

ホリエンテス

3
近代政治史の回顧録。課題解決に至るところは爽快。 今でも報道されないだけでこんな政治家がきちんと日本を動かしてくれている事を願う。2011/10/03

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