出版社内容情報
「変態」でも「性風俗業者」でもない普通の同性愛の青年達の青春群像を通して、エイズと日本の社会的認識を描いたノンフィクション
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
30
日本の同性愛者たちの青春、出逢い、居場所、悩み、カミングアウトなどをルポ。大変真摯に書かれゲイの心情に迫っていると思う(ストレイトの自分から見て)。サンフランシスコが何故ゲイの世界的中心地になったかなども知れるが、日本は未だ受け入れ態勢ができていないと感じる。作品の要因となった裁判は、金銭を求めるものでなく同性愛者として差別された人権侵害として東京都を訴えたもの。本名や顔を公表されたが強く公平さを求め日本の将来に布石を打っている。メッカであるSF近郊に住んでいる為、同僚や友に多くゲイがあり全く 続く→2019/06/08
kokada_jnet
15
あらためて「生来のノンフィクション作家」だったんだなこの人は。取材対象に「この人は信頼できる、何でも話していいんだ」と思わせて。しかし、そのほとんどを作品として発表していまう」という業の深さ。2016/05/27
akinbo511
10
バブル景気の頃、東京の府中にある公共施設を相手に裁判を起こしたゲイの人たちを取材したノンフィクション。同世代の人たちが、こんなことをしていたとは知らなかった。30年過ぎた今も、ゲイの社会的な立場は変わっていないように思えるので、この本に出てきた人たちの今の思いを聞いてみたい気もする。 2016/04/20
yamakujira
4
アカーという同性愛者の団体に携わる7人の若者たちを追いながら、同性愛者の現実を明らかにしていくルポ。1997年文庫化だから、HIVが死病だった当時と現在では、いろんなスタンスが変化しているだろうな。当時ほど同性愛者、とくにゲイに対する世間の嫌悪感は薄れているとは思う。でも、同性愛は理解できないし、理解できないものを迫害するのは論外だとしても、無視するのはわかる気がする。理解できないから怖いのだろう。一方で彼らの苦衷も伝わるから、おじさんになってるだろう彼らには幸せでいてほしいな。 (★★★☆☆)2014/04/12
少穆
3
同性愛者たちが裁判とエイズという問題とかかわりながら、その若い時代をどう過ごしたのかを克明に描いた本。 正直言ってかなり重いかもしれません。しかしこの本を読むことで、同性愛者が隣人として確かにいること、そのことについて考える契機になるのではないでしょうか。 ★★★★★2012/10/02
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