文春文庫
プーさんの鼻

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 161p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167548087
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0192

出版社内容情報

2006年、若山牧水賞を受賞した歌集。新たな生命を育むよろこびを歌う!
「生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり」 新たな生命を授かり、育てるよろこびに満ちた歌集。待望の文庫化。

内容説明

短歌は、私のなかから生まれるのではない、私と愛しい人とのあいだに生まれるのだ―新しい生命を授かり、育てる喜びに満ちた日々。一日一日変化していく子どもの成長を追いかけ、初めの一歩の驚きを、言葉の反射神経を使って三十一文字に刻む。子ども・家族・恋人、愛しい人と生命を詠った三百四十四首。

目次

プーさんの鼻
アボガド
父の定年
裸の空
時差

反歌・駅弁ファナティック
白い帽子

夏の子ども
つゆ草の青
もじょじょぷつり
弟の結婚
メロン
木馬の時間
月まで行って

著者等紹介

俵万智[タワラマチ]
1962年(昭和37年)、大阪府生まれ。85年、早稲田大学第一文学部卒業。86年、「八月の朝」で第32回角川短歌賞受賞。87年、歌集『サラダ記念日』を刊行し、同書で第32回現代歌人協会賞を受賞。以後、エッセイ、評論、紀行など幅広い執筆活動を行ない、96年より読売歌壇の選者を務める。2004年、『愛する源氏物語』で第14回紫式部文学賞、06年、『プーさんの鼻』で第11回若山牧水賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

205
20代『サラダ記念日』の鮮烈なデビューから『チョコレート革命』を経て、『プーさんの鼻』。俵万智さんの歌は今、円熟期。子どもがお腹にいる時から歌い始められ、誕生後は日々の成長を、溢れるばかりの愛情と感嘆を込めて歌い上げて行く。「ろうそくの炎初めて見せやれば『ほう』と原始の声をあげたり」。この歌などを見ると、子育てというのは、自分にとっても発見の連続であることがよくわかる。その瞬間をこんな風に歌に詠めたらどんなにいいだろうか。2012/05/10

新地学@児童書病発動中

134
素晴らしいなあ。やっぱり俵万智さんは天性の歌人なのだと思う。この本に収められた歌を読むと、人が生きる喜びや哀しみ、命の愛おしさなどがこちらの胸に真っ直ぐに伝わってくる。この歌集の一番の特色は、女と母という二つの面から詠んだが歌が違和感なく並んでいることだ。女として詠んだ歌の中には俵さんお得意の恋の歌も多い。母として詠んだ歌には、母親になった喜びと優しい母性を感じる。お気に入りの歌をいくつかご紹介。「なめらかな豆腐の白が揺れている出会ったころの二人のように」→2015/07/07

おくちゃん🌸柳緑花紅

64
《再読》読む度に感動する歌が変わる。それはそれぞれ読んでいる私の今が違うから。だからいつでも新鮮な感動☆最初に掲載されている「腹を蹴られなぜかわいいと思うのかよっこらしょっと水をやる朝」先日胎動を感じたという娘の、「どうしてだろう、涙がこぼれる」の言葉があったからですね。繰り返し読みそうな作品です♡2014/05/15

kaizen@名古屋de朝活読書会

58
#俵万智 #短歌 #現代女性歌人展 腹を蹴られなぜかわいいと思うのかよっっこらしょっと水をやる朝 吾(あ)のなかで吾でなき我を浮かべおり薄むらさきに過ぎてゆく梅雨 羊水のなかのしゃくり「二学期が始まりました」とニュースは告げる やがてくる命を待てば逆光に輝きを増す隅田川見ゆ  海底を走る列車の音がする深夜おまえの心音を聞く 湯からあげアトルでくるむ茹でたてのホワイトアスパラガスのようだね2016/07/29

kaizen@名古屋de朝活読書会

57
#俵万智 #短歌 #現代女性歌人展 2キロ入りのあきたこまちをカゴに入れこれがおまえの重さかと思う 期限のいい母でありたし無農薬リンゴひとかけ摺りおろす朝 生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり 第一も第二もなくて人生は続いていくよ昨日今日明日2016/06/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/481448
  • ご注意事項