文春文庫
ソング・オブ・サンデー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 244p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167544133
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

五月のある日曜日。大工の鉄治から、突然ドライブの誘いを受けた絵描きの利里子。四十二歳の利里子は、人との関係に疲れていた。互いの愛犬を伴って出掛けた小旅行の一日、世の中に多くを期待しない二人が交わす会話は、いつしか人生の真実にそっと触れはじめる―。穏やかな喜びと感動が胸に満ちる、島清恋愛文学賞受賞作。

著者等紹介

藤堂志津子[トウドウシズコ]
北海道・札幌市生まれ。藤女子短期大学国文科卒業。学生時代より詩や小説を書き、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。デビュー作「マドンナのごとく」で、昭和62年、第21回北海道新聞文学賞を受賞、同時に直木賞候補となる。平成元年「熟れてゆく夏」で、第100回直木賞受賞。以降、従来にない自由な視点から現代女性の心理をとらえた精緻な恋愛小説を書きつづけている。主な小説に「ソング・オブ・サンザー」(第8回島清恋愛文学賞受賞)「秋の猫」(第16回柴田錬三郎賞受賞)等がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S.Mori

19
イラストレーターの利里子と大工の鉄治が日曜日にドライブに出かけます。利里子の心に浮かぶのは、これまでの人生のこと。鉄治の「人間は生きていかなければならない」という言葉が心に響きます。鉄治の愛犬の寿命は尽きようとしています。犬は人間より早く歳をとってしまいすが、愛犬が死んだ後も人は生きなければならないからです。利里子が知り合いの男性の心を弄んでしまったことに気づき、恋愛で人を傷つけるのはやめようと思う個所が特に好きでした。恋愛の失敗を学びに変えて、これからも生き続けることが示される結末は感動的です。2020/07/25

もりの

4
1日の出来事が書かれているだけなのに、ドラマチックで良かった。とても丁寧に書かれている文章が素敵。この作家さんの違う本も読んでみたい。2019/03/19

すずりん

3
40代の男女がお互いの愛犬を連れ一日ドライブする中で現在に至るまでの人生が見えてくる。 人生諦めた感がリアル。2017/02/09

アキ

1
男女のドライブの話だが、その二人の間の恋愛が主というわけでもない。だが、それがよい。2018/11/04

しお

1
物語の時間経過はドライブの車中での丸一日のみ。内容はそのほぼ全てが主人公の利里子と大工の鉄治との会話と回想シーンで構成されている。何とも視野の狭い不思議な小説である。たとえ小説でも物語はリアルタイムで展開してガンガン進行してくれないと物足りない。いくら回想シーンの出来事がエキサイティングであっても所詮は過去の出来事に過ぎず気持ちが乗ってこない。しかしこんな不満を書きつつも実は結構面白かった。人生の折り返しを過ぎた40歳以上の人が読めば胸中に何かを問いかけられるちょっと心にしみる作品になっている。2016/05/05

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