出版社内容情報
回り舞台、カラクリ、音、光、背後で働く仕事師たち……河童さんは本職を語ってもこんなに面白いぞ!もちろんイラスト、写真も満載だ
内容説明
回り舞台、空中を飛ぶ人間、まるで手品のように、様々なテクニックを駆使して創り出される舞台。客席からは見えない舞台裏には、面白い話がいっぱい。舞台美術の第一人者であり、小説『少年H』の著者でもある妹尾河童さんが、すべてのタネを惜しみなく明かしてくれる、飛び切りの面白本。
目次
回り舞台は日本が元祖
回る舞台に裏はあり
舞台を動かしたレオナルド
騙しのテクニック
職人芸が主役大道具製作の現場
はじめに「道具帳」ありき
舞台監督は忍者のごとく
演劇界の知られざる仲間たち
闇も創る舞台照明
「ケレン、カラクリは邪道だ」というのは誰だ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おとん707
8
劇場での全ての工程、つまり舞台美術、大道具、小道具、衣装、照明、音響等諸々観客には見えない舞台裏を舞台美術家の著者が懇切丁寧に語っている。これを読めば劇場に足を運びたくなる。ただ著者が本当に言いたいのは使い勝手を考えずに作った見掛け倒しの劇場が作り続けられていることではないか。料理をしない人がキッチンを設計したようなものと評している。私もアマチュアオーケストラの末席を穢していたので素人ながらわかる気がする。救いは執筆後開場した新国立劇場が内外から高い評価を受け続けている事。河童さんもホッとしているのでは。2023/01/21
coozy
3
・イベントや舞台等その時間に様々な要素が組み合わさって奇跡のような時間を作っていることがあるけれど演劇は場合によってその難しさの極みのような。究極のチームワーク。 ・特殊な舞台は逆に使いにくい。何もない、は無限の可能性。 ・立花隆さんの猫ビルは妹尾河童さんの息子の絵らしい… ・三河屋=小道具、長谷川=大道具2020/05/18
氷柱
3
147作目。11月17日から。河童作品6作目。運良く古本屋で見つけた1冊。今作は舞台に焦点を当てたエッセイ。照明家吉井澄雄氏の言葉が印象的。「心の窓を大きく開いておけ、あらゆることに興味を持ち、感性を磨いておけ。(中略)感激する心を失うな。そして常に謙虚であれ。」。名言集ではないのでこういった言葉だけではなく、河童氏の鋭い観察に基づいた舞台の一側面が映し出されている。演劇の隅っこを齧っていた立場として、高い次元からおさらいをすることが出来てとても満足。演劇に少しでも興味のある方は読んでみるべき。2015/11/20
お萩
3
妹尾河童って、こんなことしてたんだ、、高校生の時読んだ『少年H』のイメージしかなかったせいか変なショックを受けた。専門的な話も分かりやすく、図や写真満載で楽しんで読めた。特に舞台音響の装置(と言っていいのか)その工夫には驚く。2014/11/05
ふろんた2.0
2
★★★★2020/02/21