文春文庫<br> ガモウ戦記

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文春文庫
ガモウ戦記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167534080
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

うまいメシ、うまい酒、気心のしれた呑気な隣人たち。戦争で総てを失った男が辿りついた秋田の村で新生活。読めば心が豊かになる!

紙芝居の慰問で赴いた南方から、命からがら引き上げてきた蒲生太郎。帰ってみれば東京の生家は丸焼で、家族も全滅。傷心の太郎は戦地で世話になった軍医・金木令吉を頼り、秋田の山奥、仙北郡神代村へとやってきた。そこで出会った戦争未亡人の敏子と深い仲になり、村で暮らしてゆく決意をする――

内容説明

「これこそが日本だ!」戦争で何もかも失った蒲生太郎。かつての戦友の誘いに応じて秋田にやってきたら、そこは息苦しい人生観がくるりと変わる、まさに別世界だった。温厚な金木医師、マタギ免許皆伝のイワオ、色っぽい敏子。そして悪戯ばかりの悪ガキども。艶やかなユーモアたっぷりに描く、ふるさと賛歌。

著者等紹介

西木正明[ニシキマサアキ]
1940年、秋田県仙北郡西木村生まれ。秋田高校卒。早稲田大学教育学部中退。出版社勤務を経て作家活動に入る。80年、デビュー作の『オホーツク諜報船』で日本ノンフィクション賞新人賞を受賞。88年、『凍れる瞳』『端島の女』で直木賞を受賞する。95年、『夢幻の山旅』で新田次郎文学賞を、2000年には『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

相田うえお

89
★★★☆☆登録忘れ。読者さんの見て読んだのを思いだしました。ありがとうございます。

雨猫

13
面白かった。復員した蒲生太郎が主人公だが、東京とは違い秋田なので食べ物に困ることもなく切羽詰まった感じもない。ガモさんと仲間たちの宴席の肴が美味しそう。数年前秋田を旅行して食事が美味しかったことを思い出して懐かしい。下の話も多いが秋田弁も相まっていやらしくなく可笑しみを感じる。終盤、やはり戦後だったと思わせるエピソードもあるが、秋田のおおらかさ、懐の深さが印象に残る作品。☆4つ2015/11/06

雪の行者山@加療リハビリ中

6
 戦後悲惨な復員。そこでの悲劇と秋田への道。下世話だったり、少しエロチックだったりする生活を、まるでミヤコ蝶々の?「おもろうて、やがてかなし」を小説にしたような物語。前に「かなしうて」も付きそうだけれど。ユーモアのある語り口、飽きさせない展開。万人受けするかどうかはわからないけれど、戦後生活の一端を知ることができる名著ではないかと思う。  ただ・・・昭和40年代に少年期を過ごした私にほとんどのことが理解できるのはなぜ?「夜突き」「毒流し」「鉄砲撃ち(マタギではないが・・・)」等々・・・2016/06/25

よしだ まさし

3
 西木正明『ガモウ戦記』文春文庫を読了。  戦争ですべてを失った男が、知人に誘われて秋田に遊びに行き、そのまま秋田で暮らすようになった日々を、なんとも大らかな筆致で描いたユーモア小説。いやあ、すごい。何がすごいって、まったくウリになるような派手な要素がまったくないのだ。事件などあってなきがごとしの田舎暮らしののどかな日々を、実に実にのんびりと描いているのである。こういう小説があり得たのは中間小説誌がまだ元気だった昭和40年代ぐらいまでだろうなあ。それを承知の上で書いているのだろうけれど、担当編集者がよく許2016/04/13

yamakujira

2
「ガモウ戦記」って、そういう意味かぁ。田舎暮らしの闘争かと思ったら、全然違った。復員した蒲生太郎が、縁あって秋田の田舎で暮らしていく物語。余所者ならではの活躍がステキだね。田畑あって食うには困らない生活が羨ましいけれど、濃密な人間関係は息が詰まりそう。ちょっとした民俗誌にもなってておもしろかった。 (★★★☆☆)2013/11/13

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