文春文庫
冬のアゼリア―大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 602p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167534066
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「われわれは香港で裕仁を拉致し、獄中で呻吟している同志たちを奪還する。」朝鮮の武力独立を目指す金元鳳率いる義烈団。彼らは大正十年、外遊途上の香港にて裕仁皇太子を誘拐する計画を立てる。日本側警備陣との息詰まる攻防―。成功すれば確実に以後の世界史が変わったであろう歴史の暗部を掘り起こした力作。

目次

第1章 一九一九年
第2章 一九二〇年
第3章 一九二一年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

82
「倭寇はほとんどあらゆることを韓半島から移住した渡来人に学んだのに、どうして家の構造という生活の基本を学ぼうとしなかったの。家の中で焚火をするなんて、石器時代の生活と同じじゃないの(p133)」。寒さが苦手な私は、確かにそりゃそうだわ、と思いました。囲炉裏や炬燵では背中は寒いもんね。床暖房システムがもっと安く且つ、安定化するように技術発展しないかな。ん?ダイソンで十分?2024/04/11

ehirano1

69
(朝鮮)独立運動の募金活動において、「臨時政府発行の依頼書を見せて応分の寄付を求める者がいる一方、拳銃を突き付けて強制的にカネを出させるという荒っぽい募金(もはや募金ではないですよね)を行なう者もいる。中には、募金に見せかけた強盗が出没している」という件には思わず笑ってしまいました。いつの時代もどこにでもこういう輩は必ずいるというのはもはやコンセンサスですね。2022/01/24

ehirano1

68
「一見勇ましく喝采を浴びやすいが、実態は単なる自己満足に過ぎず、行き着く所は民族の破滅だというのが、臨時政府の基本的考え方である(p401)」。『勇ましく喝采を浴びやすい』言動には十分注意することを教えてくれます。同時に、『勇ましく喝采を浴びやすい』言動には『単なる自己満足(と破滅)』が内在性理論として含まれるということを示唆しているのではないかと思いました。2021/07/02

ehirano1

66
「事実」の裏に潜んだ「秘話」を書かせたら、著者は三本の指に入るのではないかと思うのですが、「事実」から裏に潜む「秘話」を見出す調査能力と考察を十二分に味わえると思います。その意味で、今回の作品はもっとたくさんの人に読まれても良いのではなかと思いました。2020/12/20

ehirano1

63
副題が「大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画」とのことから、ん?これは確か第一次世界大戦の引き金になったフェルディナント大公暗殺事件(サラエボ事件)をヒントにした小説なのかと思ったら、著者ではなく未遂犯がヒントにしてました・・・。これは史実なのかは不明ですが、著者がノンフィクション作家であることに加え、皇太子香港入港の際にカムフラージュがあった事実から強ち事実かも知れないと思いました。2022/10/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/23445
  • ご注意事項