文春文庫
ぼくと、ぼくらの夏 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 329p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167531058
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

高校二年の夏休み、同級生の女の子が死んだ。刑事の父親と二人で暮らすぼくは、友達の麻子と調べに乗り出したが…。開高健から「風俗描写が、とくにその“かるみ”が、しなやかで、的確であり、抜群の出来である」と絶賛され、サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した、青春ミステリーの歴史的名作。

著者等紹介

樋口有介[ヒグチユウスケ]
1950年群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞し、デビュー。90年『風少女』で直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

104
刑事の息子とヤクザの娘。大人びて生意気な高校生カップル(⬅死語?)が同級生の自殺の真相を追い求めるひと夏の物語。この全体的に淡々としたライトな感じ…普段は自分のストライクゾーンではないですが、面白かったです。無感情に飄々と言葉を紡ぎだすシュン。シュンと父、シュンと麻子…事件の行方以上にテンポのいい彼らの丁々発止に読み心地の良さを感じます。この作品が発表された頃は、私も主人公と同世代。物語の雰囲気がなんとなく世相を反映しているような気も…。うだるような今夏にはアッサリテイストの本作は良いかも(^^)2018/07/28

タックン

98
樋口さんのデビュー作ってことで読んでみました。1988年作だけど電話の部分以外は古い感じがしないから驚きました。主人公たちはほぼ同世代かあ!!青春小説としてはシュンと麻子のいちゃいちゃぶりにキュンキュンしちゃって特に麻子の描写の部分に関心しました。ミステリーとしては前半は展開がなかなか進まないないし学園物のお得意物でだいたい筋は読めるなっと思った。最後は一気に話が進んで意外な結末に・・・。まあ伏線をしっかり読めばわかるし樋口さんの作品なら納得かあ・・・。シュンは後の作品の柚月さんみたいだな(笑)2017/01/16

hit4papa

79
高校生探偵たちのひと夏の青春ミステリです。ミステリとしては、ありふれたストーリーになるでしょうか。ただ、あだち充さん的な青春小説としての輝きはあると思います。好き嫌いはどこに重点を置くかで決まりますかね。

セウテス

67
作者デビュー作サンミス大賞読者賞。〔再読〕高2の夏、主人公春一の級友が自殺した。この事件に疑問を持ち、同じく級友の麻子と共に事件の謎を追う青春ミステリ。しかしこの二人、刑事の息子とヤクザの娘という、いかにもな設定である。展開も警察が自殺と断定した事件を、高校生の聴き込み位でひっくり返してしまえるのか。いいんです、本作の素晴らしい所は、読んでいて気持ちよくなる様な独特のテンポなんです。読み始めると直ぐに、物語の世界の中に入り込んでしまいます。作者の作風が真っ直ぐに描かれた作品、読んで爽やか読み終えて爽やか。2017/03/18

七色一味

61
読破。サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞した、樋口さんのデビュー作。まぁ、書籍化、文庫化の際には手も入れられているだろうけど、デビュー作がこのクオリティという点は凄い。ミステリー的には目を引くほどのネタではないかと思うけど、それを軸に、当時の(そして今読んでもそれほど遜色のない)高校生の生態が軽いタッチで刻まれている。☆読んで、何かが足りないなと思ったのが、携帯電話。88年世に出た作品なので、主人公の男の子が持っていなくて当たり前なんだけど、それが今読んでも普通に違和感なく読めてしまう。オススメ作品。2015/06/05

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