文春文庫<br> ストロベリー・ロード〈下〉

文春文庫
ストロベリー・ロード〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 334p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167530037
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

カリフォルニアのイチゴ畑で働く兄のもとへ身をよせた著者の、土と汗まみれの青春。これほど真率に語られたアメリカ物語はない!

内容説明

国境をとりのぞいて行き着くところはもうひとつの国境。それをおしえてくれたのはこの土地だ。ここにアメリカ人はいない。アメリカ人になろうとする人間がいるだけだ。兄のイチゴ農場にも様々の季節やドラマが訪れる。年上の日本人女性との交流、アメリカを真摯に問いつづける老牧師。そして兄の縁談。大宅賞受賞。

目次

8 なつかしい女性からの年賀状
9 ヘンリー・ミラーと文学談議
10 農場の人びとの知恵
11 我が名は「イシ」
12 花のサンフランシスコ
13 “家”と“家族”の物語
14 緑はげしき国のそと
15 来る人、去る人、見送る人
16 ポイント・オブ・ノーリターン
17 境界を越えるということ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

11
10代でアメリカに渡り、イチゴ畑での暮しでは葛藤するはなー。アメリカらしくないカリフォルニアのイチゴ畑でメキシカンとのやり取りでは未来が見えてこないだろうし、日本は高度成長期で時間の流れが違う。兄はアメリカ女性と結婚の話もあり、自分の行く末を考える。そんな著者の思いが伝わってきたし、欲求不満の鬱屈した気持ちもわかる。面白みのある文体に考えさせられたキーワードがいくつかあったが、その後、大学の学長にまでなった著者。どんな青春時代を過ごしたのか気になる。続編も読みたい。大宅壮一賞受賞。 2014/04/23

HIRO1970

6
★☆★名著です。65年頃のカリフォルニアの農地を取り巻く環境、日系人社会の状況を20数年後の80年代後半に執筆して出版。当時のライブ的な若者の目線と執筆時の大人の目線がバランス良く非常に面白く読めました。長い時間軸でアメリカを見つめ続けてきた作者にしか出来ないアメリカ・アメリカ人論は一見の価値有りです。2013/07/27

Shinji Hyodo

5
3日前に読了していたのですが、何とも感想がまとまらない…1965年当時のアメリカが抱えていた戦争や人種差別や移民問題や…そんな中に兄を頼ってカリフォルニアの苺ファームに飛び込んだ18歳の青年の笑ってばかり居られない葛藤の物語り。65年の体験談が88年に上梓されて2013年の現在読んだ訳で、状況は全くもって変わっているだろう⁉とも思う反面“ここにアメリカ人はいない、アメリカ人になろうとする人間が居るだけだ”てな文言は様々な人種の集まりであろうアメリカであれば今も変わらい”ドリーム“なのではないだろうか…2013/06/05

ShogoHirara

4
小説と思って読み始めるとかなりリアルな自叙伝的ドキュメンタリー?想像もつかない展開に予想以上のおもしろさw好きな人は大好きだろうな、こういうの(^^)2013/05/21

うたまる

3
結局、著者のアメリカ論の大半に共感することができなかった。それはかの国が人種や宗教で分化されすぎていて、アメリカを定義したり一般化すること自体に無理があるように思えたから。精々のところ、個別の民族や宗派で括る以外にないのではないか。それで言うと、日系人はどこで生きようとどんな仕事をしようと日本人であり続ける、というのはギリ了解できるラインかもしれない。共感しにくいもう一つの理由は、著者のキャラクターの問題。1年経っても友人ができないとか、テンパると蝉のモノマネするとか、薄気味悪すぎる。性の話も食傷必至。2019/10/05

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