内容説明
ある夜、姫の心を射止めんと二人の貴族が荒れ果てた堂に集まる。姫は、近くの首塚に一人ずつ行き、そこにある石を持って帰った者と添うと言う。ところが、その首塚で待っていたものは…。ご存じ、晴明と博雅が活躍する『陰陽師 龍笛ノ巻』に収録された名作「首」が、村上豊氏の手で美しい平安の絵物語として生まれ変わる。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
昭和26(1951)年、神奈川県小田原市生れ。48年、東海大学日本文学科卒業。52年、「奇想天外」誌に「カエルの死」を書いてデビュー。山岳、冒険、ミステリー、幻想小説などの分野で活躍
村上豊[ムラカミユタカ]
挿絵画家。昭和11(1936)年、静岡県生まれ。高校卒業後、デザイン会社、市役所職員を経て、35年に、司馬遼太郎の週刊サンケイの連載小説「風の武士」で挿絵デビュー。以後、新聞・雑誌連載の挿絵や、絵本の原画・書籍の装幀を数多く手掛ける。平成10年には第46回菊池寛賞、19年に「本朝奇談 天狗童子」(佐藤さとる)で第21回赤い鳥さし絵賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
144
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、第十一巻 絵物語第二弾です。「首」は、再読ですが、村上豊の挿絵があると、だいぶ趣きが変わります。続いて第十二巻 「陰陽師 夜光杯の巻」へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji2019/05/19
KAZOO
108
「瘤取り晴明」に引き続いて夢枕さんと村上さんのコラボによる文庫版の絵本です。村上さんの絵が抜群に面白くまた色彩がきれいで楽しくなります。内容的にはすでに読んだ短篇集に収められているのですが、絵と一緒に読むと怖さも倍増します。すべての短編をこのようにしてくれると大変でしょうがいいですね。2017/09/28
さゆ
32
人間というものは残酷なものなんだなあと思う。いかに罪人とはいえ、あのような処刑はなかろうと。恨まれるのが怖いのなら、そんな方法をとらなければよさそうなものなのに、呪いがかからないように考えながら敢えて選ぶその気持ち。人間って、いろいろな思いが深いんだなあ。 2012/04/29
絳楸蘭
27
全部を説明しないで少しの疑問を残しておくのがいい。博雅どのの笛はこの世のすべてを浄化させるようなものなのだろうなぁ。『滝夜叉姫』から続けて読んだので、知った名前が出てくるのも嬉しい。2014/07/13
眠る山猫屋
24
保憲が好きだなぁ。正確に云うと晴明へのスタンスが良い。強力な弟弟子である晴明に含むところ無く、いや、微妙に含むところがあるのかな、っていうくらいの距離感。サバサバしているのも天然なのか?微妙にフクザツかもしれないキャラクターが好きかもしれない。2016/09/14