出版社内容情報
都で名を馳せる薬師、平大成、中成兄弟。その二人に鬼たちが取り憑いた。解決に乗り出した晴明と博雅。百鬼夜行の行く末は如何?
内容説明
最近、都で名を馳せる薬師、平大成・中成兄弟は頬に一つずつ瘤がある。秋も深まってきたある日、薬草を採りに山へ入る。大成は道に迷い、鬼達の百鬼遊宴に遭遇してしまう。命がけで舞い踊った大成に鬼達は大喜び、ほうびに瘤を取ってやる。半日後、今度は中成が瘤を取ってもらおうと山へ向かうが…。シリーズ初の絵本登場。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
昭和26(1951)年、神奈川県小田原市生れ。48年、東海大学日本文学科卒業。52年、「奇想天外」誌に「カエルの死」を書いてデビュー。圧倒的な人気を博する「陰陽師」「魔獣狩り」「餓狼伝」の各シリーズをはじめ、山岳、冒険、ミステリー、幻想小説などの分野で広範な読者を魅了し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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starbro
143
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、第八巻 絵物語第一弾です。 陰陽師版瘤取り爺さん、村上 豊の挿絵も好い味わいです。鬼が笛の音をこんなにも好きだとは・・・続いて第九・十巻 シリーズ最長編「陰陽師 瀧夜叉姫」へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji 2019/05/15
KAZOO
104
これは文庫ですが絵本です。一つの短編に村上豊さんのカラフルな絵が楽しさを倍増させてくれます。話はいわゆる昔話の瘤取りじいさんの変形のような感じのものです。博雅の笛による音楽が鬼の心をも和ませるという決着がいいと思いました。2017/09/22
えみ
66
一度読んでもまた読みたくなる本は何度読んでも面白い。特に陰陽師シリーズ絵物語として発刊されているこの作品は、百鬼夜行に加わったことに明らかに興奮する源博雅と静かに興奮している安倍晴明が可愛くていつも以上に尊い。夢枕獏さんの描く陰陽師の世界に村上豊さんの味のあるタッチが印象に残るカラフルな絵。まさにシンデレラの硝子の靴並みにピタッと一致する。昔ばなしの瘤取り爺さんを下敷きに、右頬、左頬、70歳を過ぎた双子の薬師がもつ瘤と命を握った鬼と対峙するため晴明は笛の名手・博雅を伴ない鬼の宴へ紛れ込むというほっこり話。2022/12/11
るぴん
44
こぶとり爺さんをモチーフにした、陰陽師シリーズの絵本。村上豊さんの絵は、妖物はおどろおどろしく、女性はエロティックで、陰陽師の世界観にぴったり。鬼すらも涙を流す博雅の笛の音を聴いてみたいものだ。2020/04/30
さゆ
31
岡野玲子さんの漫画でしか陰陽師を読んだことのなかった私ですが、あまりにも二人のキャラクターがそのままなので、改めて岡野さんの漫画がすごいんだなと思いました。瘤取りのおはなしは、これはもともとは今昔物語かなにかなんでしょうか?今度、調べてみたいと思いました。博雅の笛が聴いてみたいものです。2012/04/29