出版社内容情報
いつも途方に暮れていた。就職、恋愛、小説家への道…。うまくいかないのはなぜ?懸命に未知の扉を押すぼくらの青春グラフィティ
内容説明
「自分とは何者なんだろう」「どういう姿が理想なのか」。ともに悩みともに未来を模索した仲間達よ!ずば抜けた技量ながら、賭け将棋で生計を立てる親友、去っていった恋人、小説家を熱望しつつも芽の出ないぼく…。清冽な混沌、透徹した自己観照が共感を呼ぶ自伝的青春グラフィティ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark.jr
4
著者の分身的存在が主人公を務める自伝的内容に、ナイーブで青臭い情感からして著者らしからぬ作品ですが。読者よりもまず自分のために書いた感じが、一番意外かもしれません。2024/02/14
Megumi Nosaka
1
中学生時代に親の本棚で出合い。 大学2年生に旅先の古本屋で再開し。 そして今日、母親5年目勤務2年目に自分の本棚から引っ張り出し。 またこれからも、自分をやっていくエネルギーをもらえた。これは自分の人生に必携の書だ。2021/05/25
ワタナベ読書愛
1
作者の自伝的な小説。 「書く」事を続ける青年と、その周囲の個性的な連中たちが繰り広げる人生の様々な局面。将来のことを漠然ととらえる青年と、退廃的な生き方しかできない青年、女っぽくない女、小田原の海辺に集まる詳細のわからない友達たち。 喫茶店「有婆」に集い人生の一部を共有しながらも、集散離合を繰り返し、年齢を重ねていく様子が生々しく、青春の汗臭さと、死に向かって進むやるせなさを感じさせる。 後書も豪華で、夢枕ファン必読。いや、見たくない? 一人の作家の生き様の一部。覚悟ということを知った。2019/09/16
5310
1
フィクションが入っていようと著者の「生きること」「生きていくこと」の覚悟が3人の話しの流れ出来事からずんずん感じられた。生きること、答えを見つけなくてもいいこと、見つけないほうが楽なことでも、色々悩むくらいだから作品として深いものができるんだろうか。2014/06/14
霜月什緑
1
「人間の行為のどれに価値があって、どれに価値がないということを決めるための客観的な視線はこの世に存在しない」という文が印象的でした。2013/10/20