出版社内容情報
大手弁護士事務所で多額の使途不明金発覚、容疑者は同事務所内の行方不明の弁護士だ。捜査を任されたのは警官あがりの同僚の私だ
内容説明
さまざまな思惑が蠢く巨大弁護士事務所のなかで、どうやら自分だけが知らないことがある―トゥロー得意の物語展開はいよいよ冴えわたる。行方不明の同僚を探すさえない中年弁護士マックの前に予想もつかなかった意外な事実が次々に展開される。そしてついにすべてのパイを握ったマックに、壮大な人生の決断が待っていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
neputa
17
デビュー作『推定無罪』、二作目『立証責任』に続く第三作目。過去二作品の内容と本作のタイトルからして法廷での話と勝手に期待して読み始めた。しかし法廷なんて無かった。墜落事故を起こした大手航空会社が賠償目的で集めた基金で巨額の利益を生み隠蔽。この企業をクライアントとする弁護士事務所の担当者がその金を持ち出し行方をくらます。主人公の冴えない中年弁護士が捜査を担うミステリとほろ苦いロマンス。そして本書は彼の報告書という構成だが、それは破綻している。最終章の論証のみ魅力を感じるが、それまでがあまりに苦痛であった。2022/07/27
智哉
13
事件の構図が二転三転するも、何度も窮地を脱するマックに違和感があった。ブラッシーとのロマンスまで持ち込み、大胆な行動に打って出る胆力はどこから出てきたのか。結局のところあらゆる関係者に踊らされていた。2024/12/21
BIN
7
大金を持ち逃げしたと思われる同僚バードを調査する元刑事の弁護士の話の続きです。結局は法廷に行くことなく解決でした。解説にもありましたが、法廷用語をタイトルにつけるようにしていみたいだ。翻訳だからちょっと読みにくいところもあり、読んでて少し苦痛でした。最後の一文がすべて。2023/03/06
Tetchy
6
今この瞬間、佳作から傑作へと変わった。それはこの本の題名の真の意味が解ったからだ。凄い!久々のカタルシスである。あれこれ云わずにおこう。ただ読んで欲しい。最後の一行、これが本書の全てを語っている。2009/04/15
H.Sato
2
このミス1996年版海外編第6位。 働きたくないワタシにとって、ただただ羨ましいかぎり(笑)。 次作も楽しみだ。 A2024/07/24