出版社内容情報
八八年のベストワン、歴史に残る法廷サスペンスの大傑作と絶賛された面白さ抜群のベストセラー作品、映画の大ヒットを機に文庫化
内容説明
検事が一転容疑者となる…。思いもかけぬ展開に、権勢欲、出世欲、金銭欲、所有欲、性欲、あらゆる欲望の渦巻く複雑な人間ドラマがあらわになり、意外な結末へとなだれこむ。歴史に残る法廷ミステリーの傑作というにとどまらず、制度そのものへの批判を含んだ社会小説としても評価された一級品。ハリソン・フォード主演で映画化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
65
面白かった!いやしかし手に汗握る法廷ドラマはいいが実に人間不信になる小説ですね。ほんとうに中年の心のヒダをついてくる作品で、つき方の厭らしさがいい意味で群を抜いています。今までに読んだことのないタイプの小説を堪能した気持ちです。2022/03/19
goro@80.7
60
再読了。人は忘れちゃうから何度でも楽しめるものだなぁ。魔性の検事キャロリンに溺れた男たちだが、これは溺れるわ。そして捨てられたら気も狂う思いだろうしサビッチの気持ちもわからないではないのは男のサガか。冷静な弁護士スターンには真犯人が分かったのだろう。司法制度の違いもあるけど選挙によって選ばれる仕組みも事件に影を落として恐ろしくもある。いやぁ~堪能しました。今度映画も観てみよう。2023/12/20
ピッポ
44
【再読】法廷シーンは圧巻で手に汗握る展開が続く。弁護人は検察側の状況証拠に如何に反証するのか?そして犯人は一体誰なのか?元シカゴ地区連邦検察局の敏腕検事補である著者の作品だけあって,リアリティに富んでいてとても面白い。主人公の複雑な心理描写が読み取れず少々消化不良の面もあったが、素晴らしいプロットと濃密な人間ドラマ、傑作です。2017/07/26
背番号10@せばてん。
35
【2012版_東西ミステリーベスト100_海外部門29位】【1988_週刊文春ミステリーベスト10_海外1位】【1988_このミス2位】1992年2月5日読了。原題は「Presumed Innocent」。91年日本公開の映画主演は、ハリソン・フォード。あらすじはもちろん、忘却の彼方。─── なんびとも有罪と宣告されるまでは無罪と推定される。(2022年12月2日入力)1992/02/05
うーちゃん
24
法廷劇特有のとっつきにくさはあったものの、面白く読めた。ただ、裁判での攻防、犯人探し、現代アメリカの司法の実態、不倫に溺れてしまった主人公の苦悩など、あらゆる側面を語りすぎて焦点がぼやけてしまった気もする。入ってくる情報量が多すぎるので、ラストのどんでん返しもさーっと処理されていく感じ。そこは残念だったけれど、やはり法廷場面は圧巻。元敏腕検事補、現職の(87年当時)弁護士という作者の経歴が、これでもかと活かされている。この臨場感とスリルは映画以上だった。20年後を描いた続編「無罪」もぜひ読んでみたい。2015/08/01