出版社内容情報
有夫の女の姦通が罪であった大正時代、石炭王・伊藤伝右衛門のもとから宮崎滔天の息、竜介へと奔った歌人柳原白蓮、燁子の全生涯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アーモンド
17
今注目の白蓮の生涯。苦労しながら取材を重ね、書かれていました。生まれながらにして、波乱に満ちた環境は想像を絶するものがあります。継続した真の肉親の愛情に恵まれなかった幼少期、そして、本人の意思ではない結婚。愛情というものに執着した気持ちは、わかる気がします。短歌に嗜みがあれば、もっと有意義に読めたかな。良くも悪くもあっぱれな人生でした。2014/08/01
冬見
14
同著者の『夢のかけ橋』が良かったのでこちらも。どちらかの立場に偏ることも感情に任せることもなく、非常に公正な目で事件と彼らの人生を見つめている。誰かが一方的に悪いとかではなくて(どちらも悪いところはある。けれど第三者の私には責めようがない)新しい女と旧時代の男の人生が噛み合わなかったのだろうなあ。一方の話だけで物事を判断するもんじゃないなと、改めて。何をどう感じるかなんて当人にしか分からない。外から見た景色と内から見た景色が違うのは当然で、もっと言えば人の数だけ物語がある。それを忘れてはならない。2019/02/01
牧神の午後
7
予備知識無しで読み始めたのだけど、冒頭のいきなりの女性からの三行半で引き込まれる。筆者の取材スタンスも中立で過度の思い入れを廃していて、真相を知ろうとするその書き振りは、一種の推理小説を読んでいるかのような錯覚すら覚えた。結局、真相は人の心の闇の中でしかないのですけどね。それにしても、戦前の人達の書く日本語の格調の高さには本当嫉妬してしまう。2014/11/13
getsuki
5
漱石先生関連の本で時折見かけていた白蓮が気になって購入。白蓮の生き様の激しさと伝右衛門が単なるステレオタイプの方ではない事も知った。彼女らが生きた時代背景あればこその鮮烈な歌……何と魅力的な女性であろうか。面白かった。2014/07/31
逍遥遊
4
132-20160727-18 主婦の不倫を一般紙が報じたってこと?現在だったら、別にどうってことないような。 姦通罪云々と書いてはあるけど、別に姦通罪に問われたわけでもないし、期待外れだった。2016/07/27