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文春文庫
豪雨の前兆

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167519094
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

明治の文豪から昭和の文士、現代の作家まで、書かれた物を通じて過去に思いを馳せるとき、不思議と現在が垣間見える。樋口一葉、夏目漱石、司馬遼太郎、須賀敦子、藤沢周平、伊丹十三…。行間の一瞬から、彼らが生きた日常が浮かび上がり、鮮やかに切り取られる。名手による巧みなエセーを愉しむ二十二篇。

目次

1 操車場から響く音
2 豪雨の前兆
3 須賀敦子の、意志的なあの靴音
4 東京旅行
5 大久保利通の「発見」
6 焼いた塩鮭の皮

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よし

7
「豪雨の前兆」という題のもつ秘めた激しさに惹かれ、読んでみた。内容は、漱石の「修善寺大患」の頃の豪雨と重なっていた。始まりは、いきなり、映画「張り込み」の昭和30年代の汽車の名シーンが飛び込んできた。夜行急行列車「西鹿児島行」がタイトル。今までの随筆と全く切り込み口が違う。清張の点と線。小津監督の「東京物語」・・。漱石、啄木、志賀直哉、森鴎外などの文豪たちが同時代を生き、しかも生活の上で身近に接していたという驚き。「藤沢周平という人生」もまた、興味深かった。関川夏央というエッセイストを知れてよかった。2016/11/08

AR読書記録

2
ちょうど梅小路蒸気機関車館に行ってきたところだったので、鉄道エッセイ部分からかなり興味深く読めました。32時間かけて東京から鹿児島へ走る列車、いいなぁ。ほんまに、今、新幹線に乗っている我らはただ運搬されているものに過ぎないなぁ。あと司馬遼太郎を通して韓国、日韓関係について書かれている幾編かは、今それを考えるにあたっても知っておくべき点をいくつも含んでいるように思う。エッセイ集なので、ほかもどれも短いけれど、ひとつひとつもっとじっくり書かれているものを読みたいな。2015/01/25

さえきかずひこ

2
過去の様々な小説家をめぐって関川夏央独特の古めかしく、端正なエッセイが集められている。水村美苗の解説も要を得ていて素晴らしい。2012/03/08

ishii.mg

1
死者への弔文か。しかも通り一遍ではない愛惜を感じる。「『坊ちゃんの時代』」があれだけリアルなのは谷口ジローの画力ばかりではないな。あとは関川の引き出しの多さ、深さがこの短いエッセイ集にも感じられる。2022/06/24

ヨン・デル

1
90年代後半に書かれたエッセイを集めたもの。司馬遼太郎を軸に朝鮮について書いた『大久保利通の「発見」』が面白かった。この後に出ている『司馬遼太郎の「かたち」』も読んでみたい。2018/03/29

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