出版社内容情報
根っからの都会派作家が、歳月の移ろいのなかで、ユニークな視点でとらえた、イキな東京エッセイのアンソロジー。山本容朗編集
内容説明
今はなき有楽町のミュージックホールの踊り子たち、「箏曲教授」の札を掲げた娼館の女、赤線廃止後の向島「鳩の町」、伐られてしまった銀座の柳並木、年に一度香水を贈る元娼婦…。雑踏を愛し、都会を愛した作家の眼がとらえた、昭和30、40年代の懐かしい東京の風景を垣間見ることができる楽しいアンソロジー。
目次
鮭ぞうすい製造法
3人目の王様
3人の警官
菓子祭
暗い道
その魚
廃墟の眺め
蕎麦屋
昭和20年の銀座
新宿・尖端の街
踊り子
むかし恋しい銀座の柳〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
22
戦前、戦中、戦後の東京の姿を、短編小説の形で間接的に知ることができる。銀座、有楽町、新宿・・・なじみのはずの街も、淳之介さんの筆でタイムスリップさせられると見知らぬ空間に変わる。銀座の夜店などは、ちょっと見てみたかったな。街の綺麗さ、猥雑さ、両方書けねば作家ではないのだと教えていただいた。2013/06/15
nuno
7
期待せずに読んだら面白かった。どっぷりサブカルチャーな空気好き。他の作品も読んでみたい。サブカルは、カフェでオシャレを表現するために消費されるもんじゃないと思います、個人的に。生き様でしょうよ2015/02/25
遥かなる影エミネム
4
吉行淳之介とデートしてみたいなぁ2017/04/22
Haru
2
吉行淳之介さんの東京にまつわる短編とエッセイでした。東京と言っても、赤線、娼婦、ストリップ、夜の東京、大人の東京です。土地勘があると、きっともっと楽しめるんだろうと思います。2017/12/26
かえる
1
だいたい、男が街で暮らしている姿を描いたもの。エッセイ?2編目の「スポポポ国王」あたり笑った。伊集院静のエッセイみたいにひどく飲んでもうタイヘンみたいな描き方はしてないけど、通ずるところがあるかな。色んな遊びに憧れちゃいます。2014/04/21