内容説明
信太郎の幼馴じみ、元吉が何者かに刺された。その背後には、せつなすぎる恋と、大きな「狐」のたくらみがあった―。ご一新まであと十四年。黒船には大騒ぎした江戸っ子たちが、今も昔も変らぬ人情で、闇に潜んだ巨悪のからくりを解き明かす。これぞ、捕物帖の醍醐味!大好評の人情始末帖シリーズ第3弾。
著者等紹介
杉本章子[スギモトアキコ]
昭和28(1953)年、福岡県に生れる。ノートルダム清心女子大国文科卒。54年、「男の軌跡」で第4回歴史文学賞佳作に入賞。その後も緻密な考証に基づいた時代小説を発表し、平成元年、「東京新大橋雨中図」で第100回直木賞を受賞。「信太郎人情始末帖」シリーズの第1弾「おすず」で平成14年度中山義秀文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドナルド@灯れ松明の火
20
杉本さんの信太郎シリーズ。2作目と思い読んだら3作目らしい。信太郎の周りの市井の事件が描かれるが、時代考証も各人物の描き方も丁寧ですんなりと感じられる。おぬいとの間に子供が生まれ「みち」と名付けられ、シリーズはどのように進展していくのか期待が高まる。4作目に行きたいがその前に早く2作目を読まねば。2016/02/14
norstrilia
16
今までに登場した人物が繋がり始めて、ますます目が離せない。時代小説、特に市井ものは、ともすれば都合のいい話になってしまいがちだが、このシリーズは展開に説得力がある。一方で、しっかり「人情」が感じられる描写もあり、その2つの要素の匙加減が絶妙。主人公も、その周囲の人物も、これからどうなるのか気になって仕方がない。2015/09/15
タツ フカガワ
12
シリーズ3作目。全5話のうち「きさらぎ十日の客」と「第十四番 末吉」は目頭がうるむ人情話。表題作と「死一倍(しにいちばい)」は連続した物語で、シリーズ一番の大捕物。このシリーズ、右肩上がりの面白さです。2019/09/09
かよ
5
父卯兵衞の親心信太郎に届くのか?妹おゆみの恋…あ~気になる2017/11/23
今夜は眠れない
4
続きが気になる。2016/08/03