出版社内容情報
女の部屋に泊りたくない。社員食堂で食べたくない。優柔不断の快適さを記憶の底からリモコンで鮮やかに再生させる連作コラム小説
内容説明
女と朝まで泊まりたくない。就職しても社員食堂でたむろしない。娘が生まれても「父」になるのはいやだ。テレビみたいに人生も、リモコンで動かせたらいいのに。1960年生まれの〈僕〉が懐かしい流行を散りばめて語るこのストーリーは、時代の先端を歩きつつ、のりたまごはんをこよなく愛する著者初めての「私小説」である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こっこ
2
★★★☆☆ トイレ本。「著者初めての「私小説」」とのことだが、3頁程度の記憶の断片が幼年時から列記されているという一風変わった内容になっている。内向的で神経質な少年が、やがて大人になり恋?をし、就職し、結婚し、子どもができ、浮気をして、「家庭人」になっていく、そんなストーリー。取り立てて目新しくもなく、倫理的でもなく、都会的な一青年の心象風景が気負いもなく綴られていく。そんな話。2019/12/28
アルゴン
1
★★☆ 私小説らしい。昔の若い人ってこういうことしてたんだと思いながら。その瞬間よりもそれまでの期待を楽しむなどの、妙にみみっちい部分に共感したりしました。2010/04/19
アツリン
0
短編集になっています。主人公が少年の頃から結婚して子供ができるまで、様々な葛藤や人間模様が描かれています。よくある青春ドラマと違って綺麗すぎない、生々しく切ない描写に心が揺られました。2022/08/07