出版社内容情報
誰にもなつかないと評判の猛猿が不思議や著者には忽ちなついた。原稿を破かれても排便されても厭わない著者の、限りない動物賛歌
内容説明
誰にもなつかないと評判の猛猿が不思議や著者にはたちまちなついた。情にほだされて2代目、3代目と飼いつづけた著者と猿との10年数の日々。彰義隊生き残りの武士の孫として生まれ、新選組はじめ幕府に殉じた男たちの物語を書きつづけた骨太の作家の、意外な横顔を伝える名作、待望の文庫化成る。
目次
愛猿記
猿を捨てに
悪猿行状
嫁えらび
三ちゃん追悼記
追慕
ジロの一生
チコのはなし
犬と人との物語
カラスのクロ
野鵐(のじこ)ばなし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月夜
7
泣いた 久々に本を読んで泣きました。 動物ものずるいわ~ 何をやっても 悲しくて 可愛くて・・・。壬生義士伝 から 新撰組関連で子母澤寛氏を知り 氏の新撰組を読む前に この本を読んでしまった。語り口がやさしくて 読みやすい ずっと心に残る本だと思う。2014/02/01
kiiseegen
4
子母澤先生と頭に猿、インパクトある表紙に魅かれ古書を入手。三代にわたる猿の話のみかと思いきや、犬、カラスまで。どれもこれも素晴らしい話ばかり。中でも犬のチコに関する話には自然に泣けた。誰にもお勧めしたい一冊だが絶版本とは惜しい・・・。2016/01/26
kaffy
3
この写真!猿でもないのに、一目で子母澤先生が大好きになってしまう。愛猿との出会いからその最期までを独特の口調で語っている。その語りに引き込まれ、時に笑い、時にほろりとしながらあっという間に読んでしまった。母が20年以上前に読んでたこの本を、5年の娘も読んでは笑ったり泣いたり。世代を超えても面白い、すごい本です。2013/10/13
本おや店主
3
あの巨匠、子母沢寛の、超意外な一面が垣間見えた。お猿さんがほんまにお好きだったのですねぇ。しかしながらに、猿・犬・烏をはじめとした様々な動物たちに愛される子母沢寛。リアル桃太郎?? そんな子母沢さんと色んな動物たちとのエピソードが、すごく泣かせる。人と動物ではなくて、人と人のお話みたい。笑えて泣けた。ちなみに表紙は画像がないのが残念ですが、子母沢さんの頭の上に猿が乗っとります。子母沢さん、ご満悦です。この表紙だけでも一見の価値ありと思う。オススメー!2011/01/16
サニジョプッ
2
前半猿、後半犬。独特の語り口が面白い。いい意味でセンチメンタルな部分もあり。2012/06/12