内容説明
名作歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」を題材に、大序から十一段目を各章に振り、当代の名優から裏方に至るまでをあまねく取材。芸の真髄はもとより、役者を彷彿とさせるエピソードまで楽しめて、ついには歌舞伎の本質に至る。芸術選奨文部大臣賞、読売文学賞ダブル受賞の名著。これを読めば、歌舞伎が丸ごとわかる。
目次
大序
二段目
三段目
四段目
浄瑠璃 道行旅路の花聟
五段目
六段目
七段目
八段目 道行旅路の嫁入
九段目
十段目
十一段目
著者等紹介
関容子[セキヨウコ]
東京生まれ。エッセイスト。日本女子大学国文科卒業。1981(昭和56)年に『日本の鴬堀口大学聞書き』で日本エッセイスト・クラブ賞、96(平成8)年に『花の脇役』で講談社エッセイ賞、2000年に『芸づくし忠臣蔵』で読売文学賞と芸術選奨文部大臣賞を受賞
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感想・レビュー
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shellgai
2
11月、12月と歌舞伎座で忠臣蔵の通しが出るので久しぶりに再読しました。やはり忠臣蔵は役者さんにとっても特別なものなんだなと芸談を読んでいても感じます。2013/12/16
sawa
2
☆☆☆☆ 赤穂浪士討ち入りの日を記念して(旧暦での12月14日なので本当は違うみたいだけど)再読。忠臣蔵論としても、芸談としても読める充実の一冊。しかし基礎知識がないとかなり難しいだろうなあ。2010/12/14
みつひめ
0
部分的には何度も読んでいる。忠臣蔵が芝居でかかる時、落語で忠臣蔵のネタを聞いた時など、あそこってどうだっけ?と思ったら、お目当ての箇所を開いて読むうちに、ついその前後も読んでしまったりする。そんな本を久しぶりに最初から再読。仮名手本忠臣蔵という芝居、そして、歌舞伎という芸の面白さ、奥深さを改めて感じさせられる。これからも、折に触れて、読み返すんだろうな。2017/12/30
rinrinkimkim
0
文庫で図書館より借りました。字は小さくてみっしりだったので読みごたえがあります。今年の春に若手俳優さんの通しを観劇していたのでその時の様子や他の役者さんがたの舞台を思い出しつつ・・・粋な川柳なんかも紹介してくれている。四段目は判官の切腹の場なんですけども幕内でお香を焚くとか、六段目で登場のイノシシのお話(ももんじ屋!と声がかかった)また巡業に同行されたお医者さんも舞台好きで舞台にでていらっしゃったそうで付いた名前が「市川注射」ウケました。たくさんのエピソードや役者さんの姿勢など本当に面白い!関さんの本は22012/08/28
owawamure
0
関容子さん2冊目。本当に素晴らしいエッセイかつ芸談であって、ここまでインタビューイの個性を出せる書き方は、見事のひとこと。役者たちの魅力が匂い立つようである。構成の見事さ、とくに最後の締めの美しさは舞台以上であるかのようだ。ほとんど歌舞伎を観たことはないが、その魅力に囚われてしまう。すごい力のある本である。2010/09/16