文春文庫
現代史の争点

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167453060
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

内容説明

単に事実を突きとめるだけでなく、史実を歪曲して特定の政治運動や「愉快犯」的プロットに利用するトリックやレトリックを見破り、指摘する作業も歴史家の任務である。南京事件、慰安婦問題、教科書論争など、現代史におけるホットなトピックを、内外左右のいかなる勢力にもはばかることなく冷静に考察し、明快な推理を展開する快著。

目次

1 南京事件と慰安婦問題(南京大虐殺「ラーベ効果」を測定する;偽造された「南京虐殺」の“証拠写真” ほか)
2 家永裁判と教科書論争(『新編日本史』騒動の政治力学;朝日新聞がもてはやした「家永判決」 ほか)
3 太平洋戦争と歴史認識(太平洋戦争を理解するキーワード;日本陸軍「最後の反省」(対談) ほか)
4 情報公開とプライバシー(情報公開法の制定を急げ;最高裁判所の「超秘密主義」に異議あり)

著者等紹介

秦郁彦[ハタイクヒコ]
昭和7(1932)年、山口県生まれ。31年東京大学法学部卒業。ハーバード大学、コロンビア大学留学、防衛研修所教官、防衛大学校講師、大蔵省財政史室長、プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授を経て、現在は日本大学教授。法学博士。平成5年度の菊池寛賞を受賞
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感想・レビュー

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ヴェルナーの日記

56
『南京事件』、『慰安婦問題』、『教科書論争』など、歴史認識に基づく問題は、いつの時代になっても、現在に至るまで絶えることがない。すでに正確な資料が失われて今っているがゆえに水掛け論になってしまっている。その中で本書は、極力、第三者の視点で客観的に、各問題点を解析し、思考・論評している。全編を肯定できるわけではないが、ある一定の評価に値する冷静な評論を展開していると思う。2015/08/11

ntahima

7
著者の主張が全て正しいのかどうかを判断するだけの知識は残念ながら今の私にはない。ただ、主張の論拠となった1次資料に必ず言及している著者の態度には好感が持てる。結論が右でも左でもない中庸になりがちで両陣営から批判されやすいきらいもあるが、簡単に善悪、右・左で割り切れないのが歴史的事実だと思う。この読書を機会に日本を取り巻く近現代史について少し読んでみようと思う。2010/03/13

gdeh

3
第二次大戦の前後の近代史は、右と左の思想の対立が激しく、事実のねじ曲げもあると思う。あとは読む本人の読解力で認識も変わってくる。2011/08/12

レオにゃん

2
「慰安婦問題」、「南京事件」など今でも熱い問題、今ではちょっと忘れられている「教科書問題」、永遠のテーマである「太平洋戦争についての歴史認識」など。左右どちらの陣営、論争相手に、歯に衣着せぬストレートな主張はすかっとするとともに、筆者の歴史学者としての誇りを感じる。作者の主張は納得できる部分も多い、期待以上に面白かった。2015/11/11

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