文春文庫<br> 昭和史の謎を追う〈下〉

文春文庫
昭和史の謎を追う〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 569p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167453053
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

出版社内容情報

世界中を騒がせた田中上奏文事件から三島由紀夫の自決まで、昭和史にのこる謎を徹底的な資料検討と明快な推理によって見事に解明

内容説明

近衛師団長斬殺、首相官邸焼き討ちといった異常な出来事が起きる中、天皇はポツダム宣言受諾の聖断をくだした。敗戦、被占領という未曾有の事態に直面した日本を襲ったのは…。下巻では「従軍慰安婦」「熊沢天皇」「東京裁判」「帝銀事件」「日本の黒い霧」「朝鮮戦争」「60年安保」「三島由紀夫割腹」などの謎を解明する。

目次

「昭和天皇独白録」を読み解く
原爆機、広島へ―反転爆撃への疑惑
終戦史再掘(「聖断」の構造;報いなき二つの反乱)
熊沢天皇始末記
天津教盛衰記―日本神国論の系譜
東京裁判―裁かれなかった人たち
BC級戦犯たちの落日―アンボンで何が裁かれたか
人肉事件の父島から生還したブッシュ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

110
下巻は原爆投下から三島由紀夫自決迄。知らないことは多い。広島への原爆投下時に米国が最大限の効果を得る為に行ったB29による陽動の疑惑。空襲警報が解除され市民が通勤や通学時に投下された原爆。先発の天候偵察機が長々と付近を旋回し空襲警報を発令させる。別地点を飛行していたエノラ・ゲイは空襲警報解除を確認し広島へ向かう。実際に警報解除を知らずに防空壕におり助かった人々もいた。天皇を軽視していた元老や軍幹部達。父島で起きた驚愕の事件。阿南陸相が自刃前に発した「米内を斬れ」の意味とは。激動の昭和史。謎は解けていない。2019/03/02

高橋 橘苑

11
最も記憶に残ったのは、第24章原爆機、広島へ、-反転爆撃への疑惑だった。10年前のもう少し若い頃の自分だったら、もっと感情に左右されただろうかと考えてしまった。原爆を落としたエノラ・ゲイは一旦広島を通過して警戒警報解除後、つまり広島市民が油断して最大の犠牲者が出るタイミングを計って投下された疑惑を検証している。第34章の再考「日本の黒い霧」-下山総裁は謀殺されたのか?、の考証も自分にとっては以外だった。自殺説が自然だとの推察には説得力がある。筆者の考証も冷静に受け留められる時代になったと信じたい。2014/08/25

CTC

10
下巻は原爆から三島自決まで。 ①エノラ・ゲイの、原爆投下当日の飛行記録は一部が失われているが、飛行時間と状況から、広島上空を一旦通過後、反転して投下した可能性がある。警報解除後の投下を狙ったとの説も。 ②明治天皇は、日清戦争に際する戦勝祈願要請を「朕の戦争ではない」と一度は拒否。『明治天皇紀』で戦後公表されたエピソード。 ③平沼騏一郎は御前会議で「陛下、あなた様にも責任がございますぞ、なんといって皇祖皇宗の霊に対し奉り申しわけがありますか」と昭和天皇を叱責している(出典:池田純久『日本の曲がり角』)。2017/07/06

犬養三千代

8
熊沢天皇始末記、東京裁判裁かれなかった人、帝銀事件、慰安婦、三島由起夫などが良かった。この執筆時点ではまだ、吉田清治が活躍?してたのが笑える。著者がこの本でプロの詐話師との表現をしている。朝日新聞はこれも、無視してたのだなあと。三島由起夫の中に出てきた自衛隊調査学校についてもっと調べてみたい。後書きに引き継ぎ書とある。新しい発見・知見を加えて次の著作はないかなぁ?違う人がいいな。2018/01/18

undine

3
上巻に続いて読む。戦後の連合国占領下の事件の謎について取り上げられているが、資料や証言、データを追っても謎が謎のままに残るのが戦後混乱期のなせるゆえか。東京裁判では正当な裁きを逃れた者、不当な裁きを受けて刑場の露となった者それぞれについて述べられており、やるせない気持ちになる。慰安婦については90年代初頭のあの世情の中で書く必要があったのか疑問だ。中立であろうとしてもどうしても流されてしまう。今ならもっと客観的に書けただろうに。2024/03/26

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