内容説明
同僚だった女に持ちかけられた交換殺人の提案に乗り、一面識もないその夫を殺した罪で逮捕された友竹智恵子。だが、警察の不手際から脱走に成功した彼女は、整形手術で顔を造り変え、身分を偽り、逃亡を続ける。時効の壁は15年。DVの夫、そして警察による執念の追跡から、智恵子は逃げ切ることができるのか。
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
1951(昭和26)年生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て88年に『五つの棺』(後に改作して『七つの棺』)でデビュー。以後、大胆な叙述トリックを駆使した本格ミステリーからトラベルミステリー、サスペンス、ホラーと幅広い作風で活躍。95年には『沈黙の教室』で第48回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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加賀恭一郎
45
殺人を犯した女性が時効まで逃げ切れるかが焦点となります。単調な展開で、これではさすがの折原さんも得意のどんでん返しを仕掛けるのは無理やろと思ましたが、全てひっくり返されましたね(笑)来るとわかってて見破れないのがこの作者の真骨頂。2016/02/22
coco夏ko10角
36
殺人で逮捕されたがなんとか脱走、時効は15年…。友竹智恵子の逃亡劇が読んでてとても面白かった。もちろんミステリーもあって色々明らかになったり。今まで読んだ著作の中でも満足度高。2017/03/06
James Hayashi
26
時効までの15年を逃げ切れるのか。実話を基にした小説(福田和子)。休みなく続く緊迫感。警察とのニアミス。逃亡劇とは無関係の人物の怪しさ。600ページ弱をあっというまに読ます迫力。なかなか面白かったが、なんとも力づくの終わり方。スッキリせずうやむや感が残った。しかし再読したいので蔵書入り。2019/09/28
かつやん
26
著者の本は何冊か読んだけど,いつも「そう来るんか!」と叫びたくなる。毎回上手く練り上げてられてる。 毎回本筋と違う物語が入ってきて?どう繋がるのかと期待して読者を楽しませてくれるのです。 この本の主人公には、逃げ切って欲しいと思いながら読んでました。ただ単にそこが醍醐味です!! 読んでいくうちに、だんだんそうなります笑笑 長いからかもしれないけど、でも苦じゃないんです。そこもこの著者の良い所。 著者は、本の醍醐味を味あわせてくれる物を提供してくれます。お粗末な感想で失礼!ネタバレはダメな本なので。 2019/08/03
紫
23
逃亡劇って何故こんなに面白いんだろう。人と関わらずに生活することは難しく、それゆえ、はからずも逃亡を助けてしまうのは人の優しさだ。殺人事件の時効が撤廃された今では成り立たない話になってしまった。折原一さん、初読みでした。この一連の殺人に対して、ちょっと動機が弱いのが気になるけれど、読み応えのある一冊でした。2016/05/24