内容説明
本書は、香港、イギリスでジャーナリストとして働いていた著者が、母の葬式を契機に、幼いときに離れた中国に旅し、人々との出会いの中で、決して両親が語らなかった家族の秘密や、見知らぬ祖父母の意外な生涯を探っていく、興味溢れる読み物。歯切れのよいタッチで、家族というものの不思議さ、謎、おどろおどろしさ、そして暗部までもが浮き彫りにされる。戦争前の上海の上流階級の生活ぶりや、日本軍が包囲していた頃の光景、共産主義革命による追放、文化大革命時の人々の姿、そして現代の状況なども克明に描写。壮大な中国の歴史を背景にした、三世代にわたる家族およびその周囲の人々の、世界的スケールの物語。