出版社内容情報
アメリカの会計制度をとりあげ、会計情報公開によるイメージ創造、宥和化戦略(現代的意義)が、財務諸表の作成、配布(伝統行為)にいつ、どのように付加されていったかを考察する。
内容説明
本書では、企業あるいは組織の、会計情報公開を用いたイメージ創造戦略・宥和化戦略という現代的意義が、歴史的にそれまで存在してきた財務諸表の作成・配布という企業・経済組織の伝統的行為に対して、いつ、どのような契機で付加されていったのか、換言すれば、いつ、どのような契機で伝統的簿記行為が現代会計として脱皮したのかという点を、特にそうした現象が典型的に現れるアメリカの現代会計史の中で、特殊歴史的に問うことを課題としている。
目次
第1章 研究の対象と方法
第2章 従来の諸説の検討
第3章 仮説の提示
第4章 鉄道会社規制と会計情報公開
第5章 巨大企業規制と会計情報公開
第6章 世紀転換期における情報公開理論としての会計理論―民主主義的情報公開理論と自由主義的情報公開理論
第8章 証券市場規制と会計情報公開
第9章 労使関係規制と会計情報公開
第10章 労働組合規制と会計情報公開
第11章 製造物責任規制と会計情報公開―Johns‐Manville社の事例を中心に
第12章 結章―宥和化と社会的ジレンマの回避
第13章 多国籍企業規制と会計情報公開―特に国連の報告書を中心として
第14章 日本の労働組合の会計情報公開