内容説明
齢八十を前にホテルで昏睡。「佐藤愛子、しっかりしろ!」と自らに気合を入れ、直立不動の見事な昏倒であった。以来、血圧測定が日課となるも、高低激しく、いったいどの数値が正しいのか。血圧計に対してもムラムラと…。長生きがそんなにめでてえか、と呟く。穏やかなる老後とはいまだ無縁、痛快無比の大好評エッセイ第5弾。
目次
怒涛のはじまり
幸せとは何ぞや
イジワルばあさんの記
孤島のたたずまい
へとへとサッカー
おしゃべり考
花の時期
春来る
今様浦島
猿山のボス
阿呆の憤り
阿呆ひとりぼっち
我が性かなし
夢かうつつか幻か
我が嘆き―今は亡き川上宗薫を偲ぶ
半生傘寿
しゃッ面考
面白中毒
まだ死にそうにない
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12(1923)年大阪生まれ。甲南高女卒業。戦後、「文芸首都」の同人となり、小説を書き始める。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第61回直木賞を、昭和54年「幸福の絵」で第18回女流文学賞を受賞。ユーモアにいろどられた世相風刺と、人生の哀歓を描く小説やエッセイは多くの読者のこころをつかむ。父の作家・佐藤紅緑、異母兄のサトウハチローを始め、佐藤家の人々の凄絶な生の姿を描いた大河小説「血脈」の完成により、平成12年第48回菊池寛賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
80歳にならんとする状況でこの行動力の源はどこにあるのだろうと感じます。やはり腹にためないでいいたいことを言ってすごすのがいいのでしょう。北海道での昏倒や犬の面倒を見たりして、結構動物に冷たいようだけれど実際は愛情細やかな感じです。読んでいてもストレスがたまりません。2017/01/23
musis
12
最近ずっと佐藤愛子さんの本を読んでいる…。1つ1つのエピソードがとても面白い。こんな風に年を重ねたい。あちこちに怒り、威勢よくどんどん進む。読んでいると、疲れが和らぎ、勇気がでてくるのが不思議。誰かに怒っていても相手の人間性を否定しているようには全く感じない。読んでいて楽しくなるものばかり。基本的に根が暗い人間なので、考えても仕方ないという開き直りと陽気さを大切にして生きていきたい。2017/12/14
金木犀
2
前回読んだ一作目と比べると、年を召された様子を感じるし、題材となる着眼点も変わってきていた。だが、さっぱりとした性格は変わらず、笑みをこぼしながらサクサク読み終わった。2013/08/11
norinori
1
義父の書棚から。一つ前に読んだ「老兵の進軍ラッパ」より5年くらい降るみたいで、さらに元気よく怒ってる感じだった。老いることに抗うわけでなく、でも老け込むわけでもない。いい「我が老後」だなあと思う。2016/12/29
すえ
1
何年かぶりに、佐藤愛子女史の私エッセイを読んだのですが、相変わらずのご様子。大笑いいたしました。『我が老後シリーズ』は全く読んでいなかったので、1から順に読んで生きたいと思います♪ (★★★★☆:繰り返し読みたい本)本棚にほしいけれど、場所と金が無い(T_T)2012/04/15