内容説明
二人は大の仲よしというわけではない。「わかっていることは、思ったことは隠さずいう正直者らしいという一点」(佐藤)だった。かくして大作家を前にして「小説はハラの足しにならないと思ってる」(上坂)と書いてしまう、冬子と愛子のズケズケハラハラ往復書簡エッセイがはじまる。存分に生きることは、怒ることと見つけたり。
目次
第1部 言動新しき先輩へ万事古き後輩より(上坂冬子/逃げもかくれもしない女へ;佐藤愛子/あなたの闘魂、ケチ魂に脱帽;上坂冬子/私はゆずれない!;上坂冬子/ド根性にひそかにコンプレックスを ほか)
第2部 幸福なお方冬子様それなりに幸福な愛子拝(佐藤愛子/お互い、心は安穏のはずだけど…;上坂冬子/波瀾の幅は、広いほどいい;佐藤愛子/人間の真実が知りたくて;上坂冬子/嫉妬と私怨、ますます濃縮 ほか)
著者等紹介
上坂冬子[カミサカフユコ]
昭和5(1930)年、東京生まれ。作家、評論家。昭和史・戦後史にまつわるノンフィクションを数多く発表。平成5年「硫黄島いまだ玉砕せず」で第41回菊池寛賞、第9回正論大賞を受賞
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12(1923)年、大阪生まれ。甲南高女卒業。戦後、「文芸首都」の同人となり、小説を書き始める。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第61回直木賞を、昭和54年「幸福の絵」で女流文学賞を受賞。ユーモアにいろどられた世相風刺と、人生の哀歓を描く小説やエッセイは多くの読者のこころをつかむ。父の作家・佐藤紅緑、異母兄のサトウハチローを始め、佐藤家の人々の凄絶な生の姿を描いた大河小説「血脈」の完成により、平成12年第48回菊池寛賞を受賞
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