文春文庫
独り群せず

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 472p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167419110
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

剣を揮う手を包丁にかえ、既に「三願」からも隠居を決め込んだ利之だが、乱世の相は商都にも。舟橋聖一文学賞受賞。『杖下に死す』続篇。

内容説明

大塩の乱から二十余年。剣を揮う手に庖丁をもちかえ、既に船場の料亭「三願」からも隠居を決め込んだ利之だが、乱世の相は商都・大坂にも顕われ始め、時代の奔流が、穏やかに暮らす利之を放ってはおかなかった…。信念に基づき命を賭す男たち。『杖下に死す』の続編となる歴史長編。舟橋聖一文学賞受賞作。

著者等紹介

北方謙三[キタカタケンゾウ]
昭和22(1947)年、佐賀県唐津市生れ。47年中央大学法学部卒。58年「眠りなき夜」で第1回日本冒険小説協会大賞、第4回吉川英治文学新人賞、平成3年「破軍の星」で第4回柴田錬三郎賞、16年「楊家将」で第38回吉川英治文学賞、18年「水滸伝」で第9回司馬遼太郎賞、19年「独り群せず」で第1回舟橋聖一文学賞、22年第13回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大阪魂

45
「杖下に死す」の続編!水滸とはちゃうけど、水滸みたいな北方さんの「漢」小説やった!大塩の乱から20年くらい経ったんかな?大塩息子を死なせたことから最強武士から料理人になった利之、大阪を守るため与力を続ける彦次郎、孫の利助の料理人としての成長を見守る一方、京を中心に大阪にも幕末の騒乱が広がり、勝海舟とか新撰組メンバーが店を訪れる…新撰組の土方が狡猾で悪いやつゆー作品ははじめてかも…そして新撰組との対決が迫る…せっかく利助が、お藤がってとこでまた水滸みたいになるん?…そして感動のラスト!さすが北方さんやねー!2025/02/15

キムチ

37
「丈下に死す」の続編という形。読みつつ、あの男のイメージが戻ってくる。表題は「自らを由と為す」という事を体現する剣豪光武利之が剣を包丁に持ち替えての日々を描いている。「三顧」を隠居し「三顧別荘」を開き、毎日3人の限定の料理を供する。孫の行く末を見つつその心を導く穏やかな日々。中盤より新鮮組の血なまぐさが絡み、盟友内山彦次郎が図らずもに倒れる。抑えた感情表現と短いセンテンスは北方ワールドおなじみ。円熟期の男の匂いぷんぷん!舞台は江戸ながら、完璧ハードボイルド。久しぶりに楊令伝を読み返したくなった。2014/04/23

巨峰

22
料理人になった「杖下に死す」の主人公のその後を描いたクロニクル。群れないけど、決して独りじゃない。全編美味しそうな料理がでてきます!主人公以外の脇役まで魅力たっぷりな好編だとおもう。2011/07/12

TheWho

15
天保8年に、大坂町奉行所の元与力大塩平八郎が起こした反乱、所謂「大塩平八郎の乱」の顛末を描いた「杖下に死す」の続編でハードボイルドと歴史小説の著者が描く時代絵巻。幕府御庭番家筋の庶子で剣豪の主人公が、大塩の乱後に武士を捨て料理人に転身して20年以上が経った幕末期。平穏の暮らしが動乱の渦に巻き込まれる主人公の男の生き様を描写するハードボイルド幕末絵巻。今回は料理道と云うモチーフと、前作の借財に苛まれる男達の哲学が絡み合い一種独特な世界観を醸し出していた。無骨な歴史小説と言える面白い一冊です。2017/02/23

眠る山猫屋

13
『杖下に死す』続編。なぜみんな読まないのか?読みなさい読め(笑) 前作から二十数年経っているせいか、登場人物を忘れかけていて…しかし読み進めるうちに思い出す感覚は、なかなか快感(笑) この作品の主人公は、腕はたつが理解しやすい(比較的ね)し、入り込み易いかな。 大塩平八郎の乱で、友を失った主人公は刀を捨て料理人に。地味に生きて引退を考えだした頃、大阪は再び騒乱の渦中に… 『黒龍の柩』で主役を演じた土方が、かなりイヤ〜な感じで絡んできます。まぁ主人公は負けませんが。ズンズン斬り込んでいく感は、爽快で2010/12/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/617365
  • ご注意事項

最近チェックした商品