出版社内容情報
新聞記者と生物教師の結婚生活は夫の不倫で破綻するが、数年後、二人は恋の発熱のように激しく求め合う。究極の愛とエロスを追求
内容説明
エロスとは摩擦から生まれる摩擦熱。体と体の摩擦、そして不安や同情や苛立ちや嫉妬などの心の内の摩擦、その両方によって引き起こされる激しい摩擦熱…。離婚した新聞記者と生物の高校女教師は偶然の再会から、かつての時期にもまして狂おしく求め合う。現代における究極の愛と官能を追求した問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
92
8作目の高樹作品だが、俗にいうエロ度合いは入浴シーンの際どい描写など濃い目だったが、淫靡さは感じさせないのは流石である。夫の22歳の若い女との浮気が発覚。1年前かららしい、そして妊娠…のお決まりコースだ。「愛しているのは、おまえだから別れない…」と夫は勝手な言い分を宣う。そして、離婚するものの、焼けぼっくいに火が…。どうも女の方が役者が上でオトナだ。男の方は少々女女しくて不甲斐ないー。高樹小説としては、芥川賞作家としての巧さを感じるが、私的には既読の『透光の樹』『氷炎』『蔦燃』の方が好きである。2021/12/01
けいこ
33
レビューを書くのが難しい。話が難しいのでは無くて、主人公の気持ちが理解できて、あえてコトバに落とさなくてもいいかなぁと思うから。好きで結婚したけれど、頂上は上りきったら下るだけ。夫の浮気で離婚し、数年後に再会。以前よりも燃えるように求め合う。第一章の淡々とした思考や振る舞いに対し、第二章再会後の彼女の内側に現れる嫉妬。『エロスって、摩擦から生まれる摩擦熱みたいなものじゃないのかな。不安熱、苛立ち熱』そして嫉妬からくる嫉妬熱。途中途中に出てくる夢が現実をより官能的にさせて美しい。性とは生だなと思わせる作品。2020/12/22
hiromura
8
久しぶりの高樹のぶ子さん。某所にてリサイクル本ゲット。なかなか難解な性についてのお話、どうにか読了。2022/10/12
turtle
3
一組の男女の数十年に渡る不思議な繋がり方。 抑え目な感じがなんとも言えません。2014/04/26
チェス
2
何だかとっても息苦しい読書。 図書館本。2019/02/23