出版社内容情報
表題作は、疎開先の湖で外来魚を釣る十七歳の少年の独特な心理をある真夏の終戦の一日に凝縮して描写する短篇小説の粋。他に「二ノ橋柳亭」など六篇の佳作を収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
14
出会いは高校時代の模試。「そのベッドの頭の方の横木には、女の子の名前がちいさく小刀で彫りこんであった。ある午後昼寝をしていて、偶然のばした手先がその文字を探りあてたのだった」という一節に痺れた。この辺り、色川武大の「短篇小説というものは、一字一句、一行二行の勝負が積み重なっているもので、言葉の芸」という面目躍如だろう。その味わいはまさにシックな絃楽の調べ、芳醇なワインの香気、育ちのいい東京ッ子の瀟洒と洗練で神吉の持ち味だが、如何せんこの段階では構成にまだ難があり、本作での直木賞は逃した。『私生活』で受賞。2018/01/06
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