出版社内容情報
17世紀、シャム(タイ)に渡り、日本人でありながら、国王に認められて、武官長まで昇進した山田長政の波瀾の人生を描く歴史小説
内容説明
シャムに渡ってアユタヤの日本人町の頭領となった山田長政は内戦の鎮圧が国王に認められて、宮廷の武将としての頂点に立った。寛永6(1629)年、リゴール国王となったが、翌年、毒薬で非業の死を遂げる。江戸時代、海を渡って異国で41年の生涯を終えた日本人山田長政の夢と冒険を描いた渾身の歴史長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akihiro Nishio
25
アユタヤで官僚として取り立てられた長政だが、日本人武士団の強さによってあっというまに出世の階段を昇り詰める。さすが、モンゴル人さえその勇猛さ・残虐性にドン引きしたという日本の武士である。最後はアユタヤ属国の王にまで上り詰める。まさか、ここまで出世するとは・・。さて、宮廷で力を持つと王家の内紛に巻き込まれずにはいられない。前王への忠義を守り、内紛には加担しないように努める長政だが、結局毒殺されて、日本人街も壊滅。下手に正論を語らず、王位簒奪者と盟友関係を維持していればどうなったのか?残念でならない。2017/11/04
mura_ユル活動
25
山田長政。名前は知っていたが、このような時代・物語を生きた人だとは思わなかった。結局、アユタヤ王朝内の権力争いに巻き込まれる。日本人の賢さ、勇敢さが随所に披露される。駿府の沼津城で共に働いていた鬼熊が、タイで再会する。長政もオークプラ・セーナピモックと武将での出世が進んだ。遂に日本の老中に相当するオークヤー・セーナピモック(武官の最高位)になる。王女が幼少期に川で溺れているのを助けた。その彼女に殺され、心が痛む。私自身、1998年のタイ旅行で、アユタヤの日本人碑を訪れている写真があるが、あまり記憶にない。2013/05/26
糜竺(びじく)
24
どんどん出世していくのが面白かった。しかし、カラホームの腹黒さには舌をまいた。最期はあっけなかったけど、それも人生だと思った。2024/11/13
n.k
23
めちゃ面白かったけど頼むから裏表紙でネタバレしないで!結末はややあっさりで、仲間達の行く末が気になるまま読了。上巻に比べ、主人公長政は立場が上になり、それにつれて思慮深く慎重になった。裏を返せば、豪快さがなくなり逃げに走りがちで、ややつまらなくなった印象(人の変化としてリアリティはある)。王族同士の争いは手に汗握る展開で最高。賢い奴って味方なら大尊敬できるけど、敵になった瞬間恐ろしくなる。にしてもこの作者、詳細に取り上げる場面とさらっと流す場面の緩急の付け方に関しては今まで出会った作家の中で断トツでうまい2024/05/09
TheWho
14
下巻では、シャムで頭角を表した長政は、頭領に押し上げられる。そしてシャムでの日本人の地位を高めると為に、アユタヤ朝から日本の徳川幕府に対して友好の親善使節派遣迄成功に導き、日本国内に山田長政の名を一躍広める事となる。その後アユタヤ朝の貴族から一国の太守迄上りつめるが、先代頭領から戒められていた宮廷内部の争乱に巻き込まれて、非業の最後を迎えてしまう。山田長政の死と共にシャムの日本人町は衰退するが、それも寛永の鎖国令に伴う日本の大航海時代の終焉と相まって何とも言えない感慨に耽ってしまった。お勧めの作品です。2015/07/23