出版社内容情報
17世紀中国産生糸の利権をめぐって日本に乗込んだ東印度総督特派大使・台湾長官"オランダの星"ノイツの栄光と挫折を描く異色作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
22
良かったですよ。直木賞作家で、海を舞台にした歴史小説がお得意の、白石一郎氏の短編集です。どれも味わい深く面白かったです。長崎周辺を舞台に、実在の人物が主人公であったり登場し、実際に起きた歴史的出来事をもとに作品は書かれています。私的に特に興味深かった作品は「もう一人の爆死者」。明治維新の功労者グラバーを父に持ちながら、原爆投下後の長崎で爆死者と共に葬り去られてしまう主人公の話です。グラバーの息子が、原爆が落ちた頃まで生きていたのも驚きだし、幕末ってそんなに遠い昔じゃないんだと、考えさせられました!2013/10/01
けいちか
1
白石一郎と知らずに読了していた。2006/05/14
こらった
0
地と血の異なる人々の苦悩や葛藤をあくまで淡々と描くことで、じりじりとした迫力が生まれている。とりわけ、『オランダの星』『もう一人の爆死者』は凄い。2017/03/17
けいちか
0
平戸のオランダ商館周辺の人々を主人公とした短編集。最後の「もう一人の被爆者」だけは異色のトーマス・グラバーのハーフの息子の、長崎が被爆してからの数日間を描いたもの。この短編が読みたくて再読。既読のはずなのに全く覚えていなかった。2012/10/08
Yoichi Sakai
0
★★★☆☆ 貿易や海外交流、それに携わる人々の人生の転変を描いた歴史小説。読みやすい短編形式と文体でサクサク読めた。2012/09/15