出版社内容情報
日米間に横たわる基本的な諸問題は、戦後から今日に至るまで殆ど変ってはいない。冷徹な観察と犀利な筆で描くアメリカ論の力作!
内容説明
日米間に横たわる基本的諸問題は戦後から殆ど変ってはいない。著者は1962年から64年にかけて、プリンストンで生活した。意識してアメリカの懐に入ろうとした著者は、より深く“アメリカ”を生き、そして見た。変ったものは何か。変らなかったものは何か?その体験の貴重、その識見の犀利がもたらす鮮烈な読後感。
目次
1 「アメリカと私」全(適者生存;プリンストン;大学;城;パーティー;東と西;普林亭主人;学生たち;事件;別れ)
2 「アメリカ通信」抄(第1信;10月28日の午後;私の見たアメリカ;ケネディ以後;エリート;アメリカの古い顔;国家・個人・言葉;米国から欧州へ)
3 「アメリカ再訪」より(“愛せない日本”の歴史;日本とアメリカ;日米関係のむずかしさ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Xionglongshu
3
江藤淳が29,30歳の時にプリンストン大学に滞在した際のアメリカ論。若いうちに異国で江藤淳が何を考えたのか知りたくて手に取る。かなり面白くて、時代も場所も違えど同い年くらいで海外に滞在する身としては共感するところがあった。江藤のアメリカ観察の中から、自分の中から捨てきれない日本と、日本語という問題が逆に浮かび上がってくる過程が特に響いた。この後の批評活動への覚悟みたいなものも伝わってくる。明治維新と戦後で断絶している日本よりもアメリカの方が「古い国」だという指摘はなるほどと思う。2023/05/14
はるくる
0
曲がりなりにも異国で2ヶ月間暮らしたこととか、海外研究室を訪問したことある私にとって、共感できるところおおくてすいすい読んでしまった。生活の視点から書かれた前半部と、客観的に社会の面から書いた後半部の組み合わせがより良い2017/09/15
mn
0
60年代のアメリカのプリンストンでの生活。感慨深く共感できるところも多い。2022/09/09