出版社内容情報
企業は環境の変化に適応して自己変革するシステムである。日本海軍もまたしかり。歴代海軍参謀の検証を通して“失敗の教訓”を探る
内容説明
企業は「環境の変化に適応して自己変革するシステム」といえる。日本海軍もまたそのひとつであったはずなのに、その指揮官たちはついに自己変革できないままに終り、帝国海軍は崩壊した。海軍大学校のエリート教育が生んだ10人の代表的参謀を俎上にのせ、彼らの失敗を今日的視点で検証して明らかにする「幹部の条件」。
目次
第1章 海軍参謀とは(戦いは人なり;海軍参謀はカゲの人;参謀はどう作られたか;参謀の職務と実務)
第2章 海軍参謀像(黒島亀人;宇垣纒;福留繁;富岡定俊;神重徳;草鹿龍之介;源田実;石川信吾;沢本頼雄と井上成美)
終章 失敗の教訓(失敗の教訓;陸軍参謀と海軍参謀)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
13
日本海軍の中にいる人にしか書けない歴代参謀の人となりがリアルに描かれていました。山本五十六は何故黒島亀人のような参謀としては二流以下の人を引き立てたのかよく分かりました。明治の頭でしか昭和の戦争を戦わざるを得なかった海軍の悲劇。これはまさしく今の官僚の自ら責任を取らない現状に通じるものがあると思います。硬直した教育の弊害も昔の話とは思えません。2019/09/09
TEDDY曹長
1
海軍兵学校を卒業して、帝国海軍の参謀となっていく過程の教育に視点をおいて失敗を分析した良著。幹部の条件とは何か?と言うのを指し示してくれていると思います