出版社内容情報
ホスピスとはどんなところで、ホスピスケアはどのような考えをもとに行なわれるのか。避けられない死といかにつきあうかを考える
内容説明
ホスピスは、患者と家族と医師が語り合い、理解し合って、ともに病いと闘う信頼関係を結ぶことから始まる。避けられない死といかに付き合うか。『病院で死ぬということ』を著わした医師が、最期の時まで人間らしく、その人らしさを保って生き抜くために行なわれる治療と心づかいのすべてを記す。
目次
第1章 ホスピス、その暮らし
第2章 対談―ホスピスってなあに
第3章 ホスピスへの旅
第4章 一般病院への架け橋
第5章 右往左往しながらも
第6章 往復書簡僕たちのホスピス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
17
死をどのようにして迎えるかは人にとり重大な話だと思います。山崎さんの本によりホスピスについてイメージできるようになったのは選択肢を増やすという観点で良かったと思います。2024/08/20
AICHAN
3
「日本は民主国家といわれていますが、…本当にそうなのかと思うときもあります。たとえどんな死を迎えるときでも人は大切にされるんだと、そしてその人の生き方、考え方、価値観が、誰にも否定されることなく全うされるんだということが保障されるような社会になったときに、初めてきちんとした民主国家になるのかな」という言葉が心に強く焼き付いた。この国におけるターミナルケアの難しさを感じた。2012/03/31
菊痴
2
人が人としての尊厳を保つことは他人の介入を許すことで難しくなると思っていました。だけど著者のように人としての最期の在り方をより良いように追求していこうとして下さる人がいる限り、そう捨てたものでもないのかもしれません。癌で親類を亡くした時に感じたことは、患者が延命的な治療を一切放棄した際に大切なことは辛くても家族が最後まで寄り添うことだと思いました。それ以外のことが出来ないから、それをとことんやる。それを支えて下さる場所があることは宗教にも似た救いかもしれません。2016/12/30
ちゃんみー
1
建築に携わる私は、ホスピスという言葉や施設は知っていましたが、そこでのそれぞれの立場の人がこれほども苦悶しているとは思ってもみませんでした。ホスピス施設がしっかりとした位置づけで認知され、もっと増えれば良いなっと思います。
AICHAN
1
初めてこの本を読んだときは「自分が死ぬときはホスピスで」と思った。今は違う。人とのコミュニケーションが取れないので施設入所は難しいし金がない。私は延命治療を欲しない。死病にかかったら誰にも迷惑をかけずにさっさと死にたい。それを許してもらえるのが私の「ターミナルケア」であってほしいし、できれば安楽死させてほしい。でも、この本を読む限りではホスピスでさえ安楽死についてはどうも否定的だ。残念。それは別として、この著者である医師は医師の中の医師だ。患者第一。その当然のことを忘れている医師の何と多いことか。2011/03/07