内容説明
辣腕秘書官・飯島勲、謎に包まれた実姉・小泉信子、そして“政権生みの母”田中真紀子。女系一家の繭のなかで育まれた孤独な貴公子を総理に仕立て上げたのは、濃密な血脈を背負う三人のキーパーソンたちの思惑だった。権力中枢に渦巻く異形の人間模様を描き出し、小泉政治の最深部に迫る渾身の力作。
目次
第1章 「異形の秘書官」飯島勲の高笑い―「総理の懐刀」がついに明かす封印された過去(「佐藤栄作以上のすごい政権」;田中真紀子を一喝 ほか)
第2章 田中真紀子は復讐する―何に怯えるのか。浮かび上がった“本当の敵”(「小泉首相はまことにお気の毒」;削られた角栄の墓 ほか)
第3章 小泉信子 すべては弟・純一郎のために―凄まじいまでの血の結束。政権「奥の院」に迫る(わが国初の女性大臣秘書官;毀誉褒貶なかばする評価 ほか)
第4章 誰が「小泉純一郎」を殺したか―参院選を乗り切った異形の政権を待ち受ける「躓きの石」(異常人気の淵源;異形の結束が小泉政権を生んだ ほか)
著者等紹介
佐野眞一[サノシンイチ]
1947年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。97年『旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三』(文藝春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雲をみるひと
27
本人含む4人を取り上げ小泉政権を総括するもの。取り上げられている人物の顔ぶれから分かる通りゴシップ記事的とも言える内容が多く、対象者へのリスペクトをあまり感じられない。本人含め癖のある人物が小泉政権の周囲にいたことはわかるが…2022/09/08
kinupon
18
最近また小泉さんが動き出した模様ですね。しかし、昔のようなギラギラしたものがすっかり抜けてしまったような・・・・・・。2014/05/07
seminoles
3
まったく表面上では知り得ない情報がたくさんあって面白かったが、異常さが若干ひいた。2011/12/06
くわずいも
2
小泉純一郎を裏で支えた飯島秘書官のメディア戦略、主婦層に人気の田中真紀子外相起用での小泉政権高支持率取得、姉の信子を始め女系家族が支えた小泉家の家業である政治家。小泉政権とは何だったのかに加え、小泉家の血筋以外は排除するインナーサークルなど、読めば読むほど背筋がひやりとした。こんな人が首相やってたなんて…周りの熱気に惑わされず、よく見極めて政治家を選ばないと、と思うけど難しい。2012/10/17
うたまる
1
小泉元総理を支えたキーパーソン3名の評伝、で止めておけば良かった本。飯島勲秘書官の境遇、田中真紀子の暴君ぶり、小泉信子の神秘性、はどれも興味深く読ませてもらった。しかし彼らと小泉純一郎を無理矢理こじつけて分析してみせるのには呆れた。低俗な解釈と悪質な牽強付会ばかりで、説得力がまるで無い。最悪なのは小泉家の「血脈」の影響を語ること。これって「犯罪者は家族に原因がある」と言っているに等しいことを分かっているのだろうか。この方法で橋下市長も卑下しようとして、問題になったことが記憶に新しい。著者も耄碌したなあ。2014/08/21