内容説明
武芸の各流派には、それぞれ奥儀の太刀がある。いわく先意流の極意「浦波」、知心流の「雪柳」、一刀流には「青眼崩し」などなど。本書は美貌の女剣士、僧門の剣客、蝙蝠の如き忍者などが激突、華やかな太刀合せ知恵比べが展開された各流剣の秘術創始にかかわる戦慄のドラマを流麗に描破した傑作剣豪小説集といえる。
著者等紹介
五味康祐[ゴミヤススケ]
大正10(1921)年大阪市に生れる。昭和28年「喪神」にて第28回芥川賞受賞。55年4月歿
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感想・レビュー
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hirayama46
3
はじめての五味康祐。わたしも解説の例のとおり、順番は違えど山田風太郎と隆慶一郎を読んで本書にたどり着きました。ふたりの通ずるドライさがありつつ、ロマンスの要素を持つ作品があったり、ノワール的なダークさがある作品もありなかなか幅がありますね。面白かったです。2021/12/29
matsu0310
0
☆☆☆☆あとがきに「いかにもその通り!」隆さん好きの当方に五味さんは大当たりかも2012/08/06
S-T
0
むかしのひとはえらい2009/01/24
mordidaman
0
柳生家菩提寺芳徳寺に秘蔵されていた写本「旅不知」には剣法流派の秘剣が記されていた… と始まる名短編集です。著者の重厚な文体と描かれる剣戟の緊迫感が素晴らしく、なんと言っていいのか…とにかく惹かれて繰り返し読んでしまいます。