出版社内容情報
汽車の旅はその国の土着の臭いが車内に充満して、その国が見えてくる。フィリピン、タイ、マレーシア、台湾、インドネシア紀行
内容説明
著者には国鉄完乗の体験を綴った『時刻表2万キロ』という名著があるが、本書はその「東南アジア篇」ともいうべきものです。ただ鉄道に乗るという、いわば無意味な動機に立っているだけに、ごく普通の眼でアジアを眺めることができ、本書をフィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾を知る最良の案内書にしています。
目次
時刻表のない旅―フィリピン
泰緬鉄道とマレー半島の国際列車
台湾一周二人三脚
皆既日食ツアーは楽し―ジャワ島
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
7
再読。『台湾鉄路千公里』の余勢を駆って、その続編にあたる(?)、台東線のリニューアル(台北からの直通列車運行のためのゲージ拡張)の乗車記録目当てで読んだものの、やっぱり、現地に行ってしか運行時間がわからないフィリピンの「時刻表のない旅」が秀逸でした。そうそう、台湾は『豪華列車はケープタウン行』にも小編がおさめられているので改めて読まねば。2018/03/21
topo
4
フィリピンのスラム街を走る汽車、タイの泰緬鉄道、皆既日食ツアーの合間に乗るジャワ島の汽車などその土地の飾らない風景、ありのままの人々の姿を交えつつ描いた紀行文集。ポン引きへと変化したガイドが面白いフィリピン編と皆既日食の描写が秀逸なインドネシア編がお気に入り。 タイの泰緬鉄道といえば映画『戦場にかける橋』のクワイ河鉄橋。タイに行った時に渡った思い出。カンチャナブリのJEATH戦争博物館では捕虜収容所の悲惨な状況が再現されていて戦争加害者としての当時の日本の行状を知り、やるせない気持ちになった。2021/07/08
roku7777
4
宮脇先生の紀行文はなんともクールなのがいい。オフビートな感じだからこそ感じられる優しさがあるんだ。今回は東南アジアの旅。特に最初に書かれているフィリピン紀行の最後に僕はいかれてしまった。静かにしっかり見ている宮脇先生だからこそ優しさにあふれている。2021/04/25
さっと
3
宮脇鉄道紀行の海外版。フィリピン、マレー半島、台湾、インドネシアで、観光スポットはそこそこに、汽車に揺られてぶらり旅。どれもおもしろかったけれど、編集者+ポン引きガイドでまわったフィリピン編が一番わらった。発車時刻などは現地確認のため、事前準備がどうにもならず、ドタバタ劇が繰り広げられた。タイトル「時刻表のない旅」は秀逸。2012/05/20
のぞみ
2
宮脇先生の海外鉄道モノを読むと、自分はまだまだ、世界のことを知らないんだと実感する。2017/07/30