出版社内容情報
山中で棒を振り回していた少年は、13歳にして試合相手の頭蓋をかち割った──。自身も剣の達人である著者が描く凄絶なる歴史長編!
内容説明
十三歳で対決者の頭をかち割り、以来六十余の闘いに勝ち残った剣の天才、宮本武蔵。美作国のふるさとを追われるようにして出奔し、幼馴染のため、自らのため名をたてようとするも、もはや戦国乱世は終わり、徳川の平和は彼に決闘につぐ決闘という壮絶な流浪を強いた―。孤高の人間を描いた傑作歴史長編。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
昭和4(1929)年、和歌山市に生れる。東北大学法学部卒業。昭和53年『深重の海』により第79回直木賞受賞。平成7年『夢のまた夢』で第29回吉川英治文学賞を受賞。平成15年旭日小綬章を受章。平成17年第53回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レアル
76
読みやすいし、あっという間に読めちゃう。「宮本武蔵」は子どもの頃から何回も読んだ事あるのだが、津本氏の宮本武蔵は戦うシーンが少なく、そしてちょっぴり恋心をスパイスされた物語。もちろん剣豪なのだが、物語として少し物足りない感じもする。。2014/06/23
優希
61
宮本武蔵の10代の頃から巌流島までの生涯が描かれていました。二刀流で戦ってきた様々な戦いがまさに目の前で繰り広げられているような臨場感があります。戦国時代を戦いで駆け抜けた孤高の剣士に引きつけられました。2020/12/27
ジェンダー
43
サクセスストーリーというかほぼ失敗がない。豪快で積極的に攻めて行くイメージがあったけれど焦らずに常に前向きであり型破りで貪欲にやってきたからこそ自分なりの型を身に付けられたのだろうと思う。そして顔に似合わず禅を身につけていけた事が彼の強さの秘密の一つかもしれない。誰も結婚し士官をしたいと思う中で自分が強くなりたいという欲望のみで生きて行くことが出来る凄さ。一流と呼ばれる人いうのはそういう人が多いのかと思ってしまう。風来坊というイメージもあったがちゃんと稽古もつける優しさもある。2014/10/04
うわじまお
42
おつうもマタハチも出てこない宮本武蔵。いろいろあるんですね。これまでと違った視点の武蔵と出会えました。2018/03/09
えむ女
19
吉川英治武蔵が基本にあったので、最近読んだ花村萬月武蔵はあまりにも「男」の性が全面に出ていると感じたが、津本武蔵は禅と剣を合わせて持ち、権力社会にも自らを投じることのできる大人の武蔵だった。「いまという いまなる時はなかりけり まの時くれば、いの時は去る」無常を唄う。「木鶏」の由来、まさに武蔵のイメージ。2013/04/27