文春文庫<br> 薩南示現流 (新装版)

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文春文庫
薩南示現流 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167314569
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

幕末京都の地で、勇猛とおそれられた示現流は、開祖・東郷重位が16世紀末、薩摩の地に定着樹立させた。京の禅院天寧寺で僧侶善吉の教えを受け、研鑽を積んだ重位の峻烈な生きざまを描いた表題作のほか、示現流達人たちの鋭き太刀風を現代に伝える剣豪小説集。「不敗の剣法・示現流」のすべて、ここにあり。

著者等紹介

津本陽[ツモトヨウ]
昭和4(1929)年、和歌山市に生れる。東北大学法学部卒業。昭和53年「深重の海」により第79回直木賞受賞。史料を十全に分析する闊達な史観から旺盛な創作活動を続けている。平成7年「夢のまた夢」で第29回吉川英治文学賞を受賞。平成15年旭日小綬章を受章。平成17年第53回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

19
示顕流の祖、東郷重位の活躍と、薩摩藩の主流派がタイ捨流から示現流へと塗り変わっていく表題の長編小説と、桜田門外の変,寺田屋事件,西南戦争,明治期炭坑暴動に関わった、示現流の使い手達の短編。頬に太刀風を感じる様な描写と、一瞬で人間が物体に変わる血腥さが、安全な位置から修羅場の世界を俯瞰できる快感をもたらす。それにしても、尚武の気風のもと弱者と看做されれば、社会の合意のもと、この世から消えるしかない薩摩藩の男子に生まれなくて良かった。2013/07/10

きさらぎ

7
関ヶ原前後・幕末・明治の示現流を描く作品集。迫真の描写。剣道の有段者である作者は、何度も鹿児島に足を運んで示現流を受け継ぐ東郷家から丹念に聞き取り取材を行ったらしい。読んでいると耳元で「チェエーイ」という鋭い気合いが聞こえ、閃く白刃と血飛沫、鞠のように飛ぶ首がまざまざと見える気がする。血生臭く残酷な場面も多いが、作者が恐らく共感を持って描き出す、単なる殺人者ではない、「示現流」という流派の持つ精神性の高さが非常にくっきりしているので、何というか非常に読後感がよい作品たちだと思った。いい本でした。2016/06/28

0717

6
津本陽さんは昔々「宮本武蔵」を読んで以来。本書のメインは表題の「薩南示現流」。開祖の東郷重位の修業時代から示現流を極め、無敗のまま死に至るまでが語られる。その他、桜田門外の変、寺田屋事件、西南の役、最後の殺陣まで示現流に纏わる短編が綴られる。私が薩摩武士だったら、若くして死んでるな。2014/07/07

しんこい

4
南国太平記でその名を知った示現流、その開祖からしてすさまじい修行だし、受け技がない流儀とは初めて知りました。幕末や明治でも残っているどころか今も宗家がいるとは。薩摩の肝臓をとって薬にするというのもすごいな。2017/08/21

うさぎさん

4
圧倒的な強さを誇る主人公で300ページをどう走り抜けるのかが気になってしまうほどの威力を持つ示現流の物語は、物語というよりも格好いい場面の積み重ねで、単調さが否めない。 描写に凄みはあるけれど、これなら小説を読むより漫画や映像作品の方が楽しめるように思う。 コッテコテの鹿児島弁はいい。2017/03/21

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