出版社内容情報
『下天は夢か』『夢のまた夢』に続く「夢」三部作の掉尾。ついに日本六十余州を掌中にした天才治世家、徳川家康の生涯に迫る──
内容説明
わずか半日で決着をみた関ヶ原の戦い。大坂城に入った家康は、今や恐れる者のない覇者となっていた。慶長八年、征夷大将軍に補する旨の詔勅が伏見城にもたらされ、名実ともに武家の棟梁の座に就いた家康は、まず江戸市街の大築造工事に着手する。二年後、家康は将軍の座を秀忠に継職し、念願の豊臣家打倒を画策するのだった。
感想・レビュー
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yoshida
129
中巻は関ヶ原の戦いの戦後処理から江戸幕府の設立、大坂の陣の直前までを描く。関ヶ原で吉川広家は東軍勝利を予想。西軍総大将となった毛利宗家の存続のため、黒田長政を通じ徳川に接近。戦場で中立を通す事により毛利宗家は安堵される筈だった。大坂城を明け渡した毛利宗家は改易。吉川広家に加増と知らされる。二代目となった戦国武将達に家康との交渉は詰めを欠いていた。毛利宗家の存続の為に広島弁で話し合う一門が興味深い。毛利宗家は防長二国に減封。徳川家は旗本を加えて八百万石という巨大な存在となる。幕府を開き、残る懸念は豊家のみ。2017/01/03
イエテイ
1
関ヶ原の戦いは東軍の勝利。石田、大谷、それぞれ散る。広家は煮え湯も自業自得。戦後処理からは家康の独壇場。江戸、駿府ときて、如水・長政・清正と豊家の忠臣相次いで去る。舞台は大阪へ。2018/08/12