文春文庫<br> 父の酒

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文春文庫
父の酒

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167312039
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

酒、食べもの、映画、文学、そして人間。達意の名文で縦横自在に語られるエッセイ群は、豊醇な余韻を残す極上の酒の味わいがある

内容説明

父は酒のみだった。敗戦の後、十年ぶりに帰還した父は、酒を絶っていた。そして、まるで客人のような父との間に、隠やかな時間が流れ始めるきっかけも、酒であった。―人物、動物、好きな映画や音楽、文学の話まで、達意の名文で縦横自在に語られる。歳月にはぐくみれた極上の酒のようなエッセイのたのしみがここにある。

目次

短篇の愉しみ
日本語の行方
好きな詩
風の姿
シグレを待つ人
詩魂学才―『愛酒楽酔』を読む
大仏次郎氏の人と文学
意欲の人
無垢な心情
小説と衣裳
本の置き場所〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

奏市

12
著者の本は初めて読んだ。タイトルから酒メインのエッセイと思っていたら、そんなに飲む人ではないようでもあり酒の話はあまりなく、絵画・写真、東京の街、戦前と戦後について、テレビなど日常の話題から成るエッセイ集。開高健のエッセイとかで著者の話題が出たりしててどんな人か気になっていたが、世間の風潮などから少し身を置いて冷静に批評する姿勢が印象的だった。『本の置き場所』「しかし本が増えすぎて嘆かわしいのは、家が狭くなることもだが、それを読む時間が自分にどれだけ残っているか、と、考えるときである」なるほどな感慨。2024/05/18

しんこい

9
小説論から始まって文学やジャズ、絵画だけでなく東京やら映画、愛犬と幅広い題材を取り上げています。面白いのはやっぱり表題のエッセイとゴリラや京都を扱う終盤のエッセイかな2015/08/02

Gen Kato

0
再読。『ついの棲み家「東京」』の、「私たちは極楽よりも地獄に住みつくように出来上った人間なのだ」という一節がぐさりと食い入る。2015/05/07

ひろき

0
表題作いい2022/05/23

無意味への献身

0
表題作も素晴らしいが、何よりも長部日出雄による解説が、解説でありながら独立したエッセイになっていて何度も愛読している。こういう上質な解説はちょっと見たことがなかった。ここ数年で、安岡さんも長部さんも亡くなってしまった。

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