文春文庫<br> チューリップ・バブル―人間を狂わせた花の物語

文春文庫
チューリップ・バブル―人間を狂わせた花の物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167309954
  • NDC分類 627.6
  • Cコード C0198

出版社内容情報

球根ひとつが豪邸よりも高価──異常な投機熱をオランダにもたらすなど、人々を狂気にかりたてたチューリップの知られざるドラマ

内容説明

17世紀のオランダで、異常な投機ブームが起きた。取引の対象となったのはチューリップ。それも小さな球根一つが豪邸よりも高い値段で取引される過熱ぶりだった。やがて何の前触れもなくブームは崩壊、バブル長者たちは破産の憂き目に…美しきチューリップが高潔なオランダ人を狂気に走らせた顛末を描いた発掘ドキュメント。

目次

第1章 天山山脈の谷
第2章 「至福の館」の奥深く
第3章 東方からの旅人
第4章 生涯を植物に捧げて
第5章 レイデン大学からの誘い
第6章 貴婦人の胸飾り
第7章 鏡の中のチューリップ
第8章 フロリスト
第9章 チューリップ狂時代
第10章 「金の葡萄亭」での取引
第11章 ウァウター・ウィンケルの孤児たち
第12章 バブル崩壊
第13章 娼婦の女神フローラ
第14章 チューリップ王の宮廷で
第15章 遅咲きの花

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

76
レンブラントやブリューゲルが描いたチューリップは単なる〈花〉ではなかった。17世紀にオランダで起きた〈世界初のバブル〉。今も金融業界の伝説として語られる事件の真相に迫った本。〈バブル〉到来で、チューリップの希少種は球根一つに平均的労働者の年収の20倍の値がついた。欲に駆られた有象無象が市場に乱入し、やがて土中の球根の先物取引まで行われ始めた。ところが、ある日を境に市場は崩壊する……。優れた歴史書であり園芸書。当時の〈希少種〉は今は存在しない。なぜなら、それはウィルスに冒された奇形種に過ぎなかったのだから。2015/03/29

蘭奢待

42
実態のないデータに高額な金額価値が付く不思議。ビットコインのそれと比較してみたくなる。 おらんだののチューリップバブルは1636年から1637年にかけて。まだ魔女裁判が行われていた時代。このバブルは極めて短い期間で、富豪と破産者を生み出している。 需要が供給を大きく上回り、価格が暴騰高すぎて誰も買うことができなくなり、一気に熱が覚めて、暴落に次ぐ暴落にみわわれる。2021/07/18

emi

33
感情が勘定を動かす、と言うが、あんな可愛らしい姿のチューリップがかつてオランダで高額取引されるような大バブルを生み出したとは…。チューリップは、オランダ原産ではなくて中央アジアの天山山脈に自生してたこと、ヨーロッパに渡る以前にトルコで神の花として崇められていたこと、レンブラントが「夜警」で得た金額(中程度の商人の年収より少し高い)の3.25倍がチューリップの球根一個についた金額だということ…読めば読むほど惑わされた。物の値段は需要と供給のバランスで決まる。世界最初のバブルは美しい花に惑わされた悲しい歴史2015/04/13

みも

12
17世紀オランダ。主観を排除しあくまで客観的なドキュメンタリーに徹している。故に、学術的な書物としては価値があるのだろうが、素人の僕などには少々退屈。時代に翻弄される人々の愚かな様が、もう少し人間の話として書かれているのかと想像したが当てが外れた。オスマン帝国の隆盛、スペインの侵攻、移民の流入等を経てオランダに訪れた過剰外貨時代。この頃先物取引や空売りが登場し、例えば余剰資金の投機対象に土地を選ぶ現代中国経済への警句になっている。縦縞模様の美しいチューリップがウィルスに冒されていたというのは新発見だった。2016/04/04

月世界旅行したい

11
植物学者、植物を盗まれまくる。(正しくは植物学者はまだ存在しなかったので、似たような立ち位置の人)2015/09/24

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