文春文庫<br> チャーム・スクール 〈下〉

文春文庫
チャーム・スクール 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 485p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167309565
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

モスクワ効外、行方不明の米兵三百人が監禁されると囁かれる謎の施設。救出か抹殺か──軍・CIA共同の隠密作戦が展開された!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

366
下巻に入って、ますます緊迫の度合いを増しスピードも大幅に上昇する。陳腐な表現だが、まさに手に汗握る展開である。次から次へと息もつかせない。結末は予想がつくといえばそうだが、当たったのは半分だけ。後の半分は思いもかけない幕引きであった。その意味では謀略ミステリーとしても読者を翻弄する。ソ連(とりわけKGB)を描いているようで居ながら、究極はアメリカの真の姿を炙り出すのである。終盤はややランボー(詩人ではなくて映画の方)めいてはいるが、まずは許容範囲か。映画化されたのかどうかは知らないが、極めて映像的な手法。2021/04/25

みも

198
下巻に入り、いよいよ「チャーム・スクール」なるものの全貌が明かされる。僕の想像を遥かに超える精妙なシステム。取りも直さず考案したのは著者自身であろうが、その圧倒的な独創性とリアリティには驚嘆するばかり。現代の北朝鮮にもなぞらえる事が出来そうな、かつてのソ連という国家の深遠な闇と冷酷な管理体制を描きつつ、その実、著者が示したのは「西側の腐敗」であり「権利と責任を持つ自由な人間」ではなかろうか。ペンタゴン・CIA・国務省の覇権争いや確執が巨大な波濤となり、結末にもたらされるその大義に悖る殲滅作戦は残酷過ぎる。2021/04/28

Tetchy

5
上巻で抱いた不安に対してデミルは全く私の想像を超えた設定を持ち込む。これには全く以って脱帽。デミルは登場人物一人一人に哲学をしっかりと設定する。そして彼らがその己の規範に従い、時には呪縛を感じながらも行動する。一人一人が脈打つ実在の人間のようだ。この小説は単なるエスピオナージュ、スパイ小説ではない。人生讃歌である。誰一人として単なる主人公の引き立て役の駒で終わっていない。そういっても過言ではないだろう。特に最後の結び方に人生を生きることの難しさとデミルのアイロニーを感じた。2009/08/23

泰月

4
フィクションなのにリアル。拉致問題って、こういうことか。 2020/07/12

tai65

3
星5つ2025/03/05

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