出版社内容情報
恐怖とエロスは隣り合わせ、ゾクゾクしているうちにゾッとなる。ルース・レンデル、クライヴ・バーカーたちも筆を競う精選短篇集
内容説明
恐怖とエロスは隣りあわせ、人間の一番深いところから生まれる感情だ。そこに着眼した編者もさすがだが、執筆者の顔ぶれがスゴイ。キング、レンデル、バーカーといった大物、トーマス・M・ディッシュらの中堅実力派、P・マグラア、C・ファウラーら大型新人、それに日本で未紹介の注目作家たちがズラリと並び、涎の出るような傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
98
13の恐怖とエロス・・エログロ描写はあれどあまりなまめかしくも怖くもなかった。お目当てはレンデル。女性の心理がギリギリと拗じられ爆発する様はさすがだけど、この作品群では異質。怪物ものの中では虎男よりもジャガー女、それより人魚の方が恐ろしい。トリックが乱歩チックな「建築請負人」が面白かった。ラストの「ジャクリーン・エス」はやや長くてエログロ度も高く、もうお腹いっぱい!2018/08/18
sin
46
エロス?まあそうだけど、結局生々しい夫婦の話ってところが核にあるよう?夫婦になると男と女で割り切れない部分が出てくるからか?何かを伝えようとすると伝えきれない、かといって理解し合えないまま、なあなあでいいとは思えない。そして理解しようとすると押し付けがましい。それがお互いにとって良いとも悪いとも言い切れない。難しいって?そんな趣旨の作品じゃないんだけど…なんとなく。2013/09/22
ニミッツクラス
27
94年(平成6年)の税抜534円の文春文庫初版。SFやF系レーベルの無い出版社の本は実店舗では捜しにくい…目も肥えるがはたから見たらせどりだよ。本書は「13の恐怖とエロスの物語(全2巻)」の初巻で、続巻は「筋肉男のハロウィーン(96年)」となる。同床異夢っぽいカバーは共に久里氏。ホラーアンソで現在では多言無用だが、巻頭のキングの表題作と巻尾のバーカーの「ジャクリーン・エス」の構成は流石。ディッシュの死神のトンデモ話がアーバンストーリイに化けるのも唸る。カーターの狩人話は煎じて人間ドラマとなる。★★★★☆☆2023/12/29
かめた
16
ホラーアンソロ、全13本。クライヴ・バーカーの「ジャクリーン・エス」が一番。壮絶なラストシーンは神々しささえ感じるほどであります。2018/08/26
井戸端アンジェリか
16
恐怖とエロスときたら、エロスでしょ購入。キング大先生以外は未知だし、外国のアンソロジーでツボだった事ゼログラビティだし、全然期待していなかった。それなのに、いちいち前説がうるさいのに大先生もエロ加減も薄々なのに面白い。 殺してくれと乞う男に私の中のケダモノがニヤリと笑いました。ああ「ジャクリーン・エス」になりたい。2017/12/09